新品種茶で新素材 「紫茶」エキスを開発 オリザ油化(2013.9.26)


 オリザ油化㈱(愛知県一宮市)が世界的にも新しい機能性素材を売り出す。紅茶の一大産地ケニアで開発された新品種のお茶を原材料にしたもので、抗肥満や美肌効果が期待できる。初めて確認されたポリフェノールの一種を規格化したエキス原料を供給するとともに、飲料向けに茶葉の販売も行う。

 「紫茶(パープル・ティ)」と呼ばれる新品種のお茶を原材料にしたエキス原料を、健康食品・化粧品用の双方で新たに開発し、10月から配合提案を始める。緑茶や紅茶など一般的なお茶には含まれないポリフェノールの一種、「GHG」が多く含まれることを同社が突き止め、同成分を規格化したエキス原料を開発した。総ポリフェノールを30%以上、GHGを2%以上含む。

 紫茶は、ケニアの製茶業における最高責任機関、ケニア茶業局の技術開発部門であるケニア茶業研究財団が25年の歳月を掛けて開発した品種改良品。アントシアニンを豊富に含むように改良したもので、茶葉も紫色を呈す。ケニアが販売促進に力を入れている「スペシャルティ」に位置付けられるもので、最近になり大量生産技術が「確立された。

 これを原材料にした紫茶エキスの機能性について同社では、抗肥満作用を動物試験で確認。血中中性脂肪の低下、高脂肪食摂取に伴う体重増加の抑制などの効果が認められた。また、美肌にもつながる過酸化脂質障害抑制作用もヒト表皮細胞試験で確認した。過酸化脂質障害とは、紫外線などで生じた細胞内の活性酸素が脂質と反応することで、細胞内に過酸化脂質を増加・蓄積させ細胞障害を引き起こし、皮膚の老化や肌荒れなどを促進させるというもの。

 同社の調べでは、過酸化脂質障害抑制作用は一般的なお茶エキスには認められない紫茶エキス特有の作用と見られる。また、GHGとしても同作用が認められていることから、紫茶エキスの主な活性成分として、GHGの関与が強く示唆されるという。

 なお、GHGは「1,2-di-Galloyl-4,6-Hexahydroxydiphenoyl-β-D-Glucose」の略。

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