オート麦でダイエット DSMが新素材 (2013.8.22)

Oat_blue sky

 DSMニュートリションジャパン㈱(東京都港区)は、このほどオート麦由来機能性多糖含有ダイエット食品原料の販売を開始した。「オートウェル(OatWell)」の製品名で販売するもので、日本への本格導入は初となる素材だが、海外ではウエイトコントロールや糖尿病予防を付加価値とする食品への採用実績を多く挙げている。胃腸機能改善作用や満腹感向上作用も確認されており、〝健康的なダイエット〟につながる機能性食品素材として売り込む。

 「オートウェル」の主な機能性は①血中コレステロール低下②食後血糖値低下③胃腸機能の改善――の3つで、これらの機能性に関してEFSA(欧州食品安全機関)は健康強調表示を認めた。そのほか満腹感向上に伴う過食防止も確認されており、この機能も現在、EFSAに表示申請されている。

 海外で販売されている同素材配合食品の形態としては、シリアル、ドリンク、ミールリプレイサー(食事代替食)、パスタなど一般加工食品が目立つ。1日当たり推奨摂取量は3㌘。

 「オートウェル」に含まれる機能性成分は水溶性および不溶性の食物繊維で、水溶性食物繊維としてはβ‐グルカンを多く含む。オート麦由来β‐グルカンはキノコ、酵母由来のそれとは構造や性質が大きく異なる。またβ‐グルカンの機能性と言えば日本では免疫向上作用の認知が強い。このため同社では、海外とは異なり、同成分の含有をあえて訴求しない販売戦略を立てた。

 同素材の原材料となるオート麦に対して米国では健康食材としての認知がかなり高く、米国企業が実施した健康食材意識調査によると、カルシウム、ファイバーに次ぐ第3位。ただ、日本での状況は米国とは大きく異なるため、「世界的に需要の高い天然素材であること、エビデンスに信頼がおけることを訴える」(同社ヒューマンニュートリション本部)としている。

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