表示、広告指針案示す 消費者庁年内にも公表(2013.11.7)


 消費者庁は1日、健康食品の表示、広告に関する景品表示法及び健康増進法の留意事項案を公表した。消費者委員会が1月にまとめた健康食品の表示のあり方に関する建議で、厚生労働省が2003年に策定した現行指針の改正を求めたことに応じたもの。来月1日まで一般から意見を募集したあと、年内にも取りまとめて公表する。

 現行指針は、健増法に基づく健康保持増進効果の虚偽誇大の禁止や表示適正化についての考え方などを、当時の所管庁だった厚労省が示したものだったが、今回同庁が示した案は、健増法に加えて、景表法の誤認防止や表示の合理的な根拠の必要性など、両法の観点から留意事項や問題点を指摘した。

 特に、消費者委が求めた違反の恐れがある表示例を①疾病の治療又は予防を目的とする効果②身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果の表示③特定の保健用途に適する旨の効果の表示④成分に関する表示⑤人の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことに資する効果の表示⑥認証等に関する表示――の6項目に分け、それぞれ個別に表示例を示すとともに、景表法と健増法の観点からの問題点などについて説明してある。

 具体的には「医者に行かなくとも動脈硬化を改善」など医師の診断なく治癒できるような表示は著しく人を誤認させると指摘。また、「体力増強」「疲労回復」など暗示的、間接的なものや、「最高級」「日本一」などの最上級表現などについては、景表法で合理的な根拠の提示が必要であること、「絶対」「抜群」など、どのような場合でも必ず効果があるかのような表示は、立証が困難で、著しく事実に反し、著しく人を誤認させると指摘している。

 今回の案について同庁は「具体例や過去の違反事例などを加え、消費者委員会の指摘の通り、現場で活用しやすいように工夫したが、パブリックコメントの意見を踏まえ、さらに良いものにしたい」(表示対策課)と、一般からの意見を踏まえて、さらに見直す可能性があることを伝えた。

 なお、今回の留意事項が正式に取りまとめられて公表された後も厚労省指針は現行のまま残る。
 消費者委の建議では、消費者アンケート調査で約5割が健康食品の表示・広告について「行き過ぎた宣伝・広告が目立つ」と回答するなど、虚偽・誇大なものが目立つと指摘。このため、同庁に対し現行指針を、都道府県など監督指導を行う担当者が理解しやすい内容に改めることや、禁止表示について直接的、暗示的なものも含め具体的な表示例を挙げることなどを求めていた。

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