機能性表示食は「苦情」なく JARO審査概況(2016.5.19)


 日本広告審査機構(JARO)が13日に発表した2015年度の広告審査概況について、機能性表示食品に関する「苦情」は、制度主旨などを理解していないとみられる一般の人から寄せられた軽微なものに限られることが分かった。JAROによると、届出情報と広告表示の整合性を問題視するような、消費者団体や事業者などからの重い苦情は寄せられなかった。

 機能性表示食品については広告制作などを行うに際した企業からの相談を意味する「照会」が、媒体社などから複数件あった。内容は、届け出た機能性表示と微妙に異なる広告表現に関するものが中心だという。

 一方、いわゆる健康食品に関する苦情件数は、前年度から65件増え、268件に上った。業種別に見ると、通信(997件)、小売業(548件)、一般食品(377件)に次いで4番目に多かった。また、JAROは苦情を受けて広告内容を審議し、警告、要望、提言などの「見解」を広告主に発信しているが、見解対象となった商品・サービスで最多だったのは健康食品(11件)。3年連続の最多となった。

 このうち、当該広告や表示の即時排除・撤回が必要だと判断された「警告」の発信事例としては、「運動なし! ガマンなし! 飲むだけ!」などと食事制限や運動をせずともダイエット効果が得られると謳ったもの、「ブルーベリーを超えた! 沖縄のイモでハッキリ一変」などと視力回復や老眼の症状改善効果があるかのように謳ったもの、「エネルギーの消費にアプローチし、若々しく燃えやすい身体づくりをサポート」など医薬品的な効果・効能を表示したものなどがあるという。


Clip to Evernote

ページトップ