アオバナやヨーロッパナラ、非医と考察 厚労研究班(2016.7.25)


 食薬区分判定の基礎資料になる厚生労働省研究班の2015年度報告書がこのほど公表された。この中で、新規の化学物質4成分、植物由来物質5成分の検証が行われ、化学物質の「N―アセチルノイラミン酸」、植物由来物質の「アオバナ」「ヨーロッパナラ」「イナゴマメ(カロブ)の莢」は非医薬品として考察されるとした。

 同検証は「無承認無許可医薬品の調査・分析及び量的概念を含む専ら医薬品の規制に関する研究」(研究代表者:袴塚高志・国立医薬品食品衛生研究所生薬部長)の分担研究として実施。結果は食薬区分を審議する同省のワーキンググループの検討材料になる。

 非医と考察した「N―アセチルノイラミン酸」は食品成分中にある程度存在していること、単体として医薬品として使用されていないことが判定要因になった。一方「アオバナ」は専ら医薬品リストにある1‐デオキシノジリマイシン(DNJ)を含むが、食品として販売例があり、含有成分を言及しなければタウリン含有のものと同様、非医となりうるとした。「ヨーロッパナラ」はワイン樽に使用されるなどの食経験、文献検索で危険な化合物は入っていないと推定されることから非医となりうるとしたが、近縁のショウボクヒは専ら医指定であるため、この点は配慮が必要とした。

 一方、「イナゴマメ(カロブ)の莢」は、経口投与の添付データを考慮すると、急性毒性は非医の基準を満たしているとし、非医であるものと考察。植物由来物質のその他2成分は現時点で情報がなく、次年度に先送りした。

 なお、化学物質のATPは医療用医薬品として使用されていること、ほか2成分はED治療薬に使用されるタダラフィル、シルデナフィルと主要分子構造が同一であり、専ら医薬品に指定すべきと判断されるべきと考察した。


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