花粉症にじゃばら果皮を提案 ジャバララボと日本バルク薬品(2013.11.21)


 和歌山県北山村原産で、香酸柑橘類の一種「じゃばら」の果皮粉末を供給する㈱ジャバラ・ラボラトリーでは、販売総代理店の日本バルク薬品㈱とともに、健食市場への提案を強化する。今年からは、じゃばらの収穫を1カ月ほど早め、11月の初めに開始した。成分分析により、花粉症などのⅠ型アレルギー抑制作用があるとされるフラボノイド「ナリルチン」を多く含んでいることがわかったためだ。来春の花粉シーズンに向け、ナリルチン高含有のアレルギー対応素材として打ち出し、販売ルートの拡大を進め、健食市場での存在感を高める方針だ。

 じゃばら果皮は、北山村の15の契約農家から調達し、今年7月に特許を取得した特殊製法で粉末化。ナリルチン量は5%以上で規格化した。じゃばらに含有する成分ナリルチンは、主に皮の部分に多く含まれ、他の柑橘類よりも高含有であることが大阪薬科大学との共同研究で明らかとなり、日本生薬学会で発表している。2010年に開発し、原料供給を開始した後は、花粉症対応の健康食品などに採用されはじめ、JA和歌山県農で販売している顆粒タイプのサプリメント「JОINじゃばらサプリ」にも使用されている。

 花粉症に対する研究では、岐阜大学医学部が臨床研究を行い、花粉症歴のある15名に摂取させ、摂取後の症状と変化をアンケート調査したところ、鼻水やくしゃみなど有意な改善が見られるなど、症状緩和の効果を確認している。

 また、日本食品科学工学会において、和歌山県工業技術センターでは、じゃばらがウンシュウミカン、ハッサク、ユズ等と比べ、ヒスタミンなどの化学物質が放出される「脱顆粒現象」の抑制作用が強いことを公式に発表している。

 同原料は今年7月、和歌山県が公募する先駆的産業技術研究開発事業に採択され、県から補助金の交付を受けた。現在、化粧用保湿剤と医薬部外品外用材の開発を進めている。同社の吾妻正章代表取締役は、「花粉症だけでなく、ハウスダスト、気管支喘息などのⅠ型アレルギー、さらには保湿剤にも対応できる」として幅広い展開を見込んでいる。

Clip to Evernote

ページトップ