光英科学研究所 乳酸菌生産物質の新工場建設(2017.2.9)

光英科学 村田氏修正 ①

 ㈱光英科学研究所(埼玉県和光市)は、乳酸菌生産物質に対する国内外の需要増加に対応するため、昨年建設した新社屋敷地内に新工場を建てる。総工費は1億5000万円。着工は5月で完成予定は10月。

 工場は建築面積330.57平方㍍(100坪)、高さ約7㍍。施設内には、乳酸菌生産物質を月3㌧製造できる高さ約3㍍の発酵タンクを2基設置する。

 現状、本社工場は高さ約2㍍の発酵タンク1基と、80基のバッチ式静置培養タンクにより、最大で月3㌧の乳酸菌生産物質を製造している。その一方、需要は急増しており、同社では今年3月、本社工場に高さ約3㍍の発酵タンクを1基設置する。

 それでも「供給先にはまだ待ってもらっているところもある」(村田公英社長)状態のため、新工場を建てる。工場完成により、生産能力は従来の月3㌧から12㌧に大幅に向上する。

 最近は、従来の主要クライアントであった訪販系企業のほか、Web通販企業や店販を主販路とする製品メーカーにも採用され、クライアント増加に加え、オープンマーケットに販路が拡大している。採用はサプリメント用途中心だが、複合素材としての利用も広がっているという。

 一方、海外は欧州企業からトン単位の注文が定期的にあるほか、中国企業からもトン単位の液体原料へのオーダーが続いている。

 需要増加の背景には、乳酸菌に対する一般及び業界の関心の高まりに加え、村田社長は「当社素材の体感性の高さが認められた結果」と話す。

 また今月は、平成26年度の経済産業省による戦略的基盤技術高度化支援事業に採択された、乳酸菌生産物質に含有するステリルグルコシドの抗ストレス作用についての最終ヒアリング(結果報告)が行われる。結果次第では、更なる需要増加も見込まれるが、「新工場にはあと3基発酵タンクが設置できるので、既存原料の注文増加への対応、新原料の開発、供給も可能だ」(村田社長)。

 同社売上も伸張しており、2016年9月期の売上高は前年度比19.6%増の約3億9000万円で、今期は5億円を見込む。工場増築後の来期(10月以降)は、更なる伸張を見込んでいる。

【写真=村田 公英社長】

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