「トクホの大嘘」に遺憾の意表明 松谷化学「回答内容が反映されてない」(2017.3.23)


 23日発刊の週刊新潮に掲載された「トクホの大嘘」を巡り、記事に取り上げられた難消化性デキストリンを製造販売する松谷化学工業が記事に対する見解をホームページで公表し、「回答内容が掲載記事に反映されておらず、大変遺憾」だとして、不満を表明した。

 見解は23日付。同社によると、発行元の新潮社から今月13日にFAXを通じた質問があり、「真摯に対応した」という。同社のコメントは記事の一部に使われたのみだった。

 記事では難デキの脂肪吸収抑制作用を報告した2つの臨床試験論文について、第三者とみられる千葉大学関係者による「数字上のゴマカシがある」「効果はない」などとするコメントを掲載し、難デキを関与成分とするトクホの有効性を断定的に否定。

 これに対して松谷化学は見解で、「2報の論文はいずれも複数の有識者の査読を受けた上で受理されたもの」だとしたうえで、論文の「信頼性には何ら問題ない」と考えているとして反論。また、そもそもトクホは、「国における厳密な審査を経て許可を受け、販売されている」などとし、記事内容の客観性に対する疑問を示唆した。

 記事では難デキ以外の関与成分やトクホ商品についても、大学名誉教授や「科学ジャーナリスト」のコメントを引用しながら、根拠論文上の試験手法や数値データなどを疑問視。一部の商品については関与成分とは別の添加物の安全性に言及した。次号でも引き続き掲載するとしている。

 トクホの許可申請支援などを行う業界団体の日本健康・栄養食品協会や記事に取り上げられた商品の販売元は23日現在、記事に対する見解等を公表していない。

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