HMB 届出表示に機能性追加 歩行能力の改善(2017.4.6)

HMB2 キューサイ①

【写真=機能性表示食品のサプリメント:キューサイ】

 須アミノ酸ロイシンの体内代謝産物「HMB(3‐ヒドロキシ‐3‐メチルブチレート)」を機能性関与成分にしたサプリメントについて、表示しようとする機能性に「歩行能力の改善」「体脂肪の減少」に役立つ旨を盛り込んだ届出を消費者庁が受付け、3月30日、公表した。HMBはこれまでに2件の届出があり、主に「筋肉量や筋力の維持」に役立つ旨が届け出られていた中で、新たな機能性が追加されたかっこう。今回も届出者は、国産HMBを原料供給している小林香料(東京都中央区)だった。

 HMBは、スポーツニュートリションやアクティブシニア層向けのサプリメント・健康食品原料として近年注目の成分。筋肉の合成促進および筋肉の分解抑制といった2つの機能性を兼ね備えると言われる。

 小林香料は今回受け付けられた届出で、表示しようとする機能性について「自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量及び筋力の低下抑制に役立つ機能、歩行能力の改善に役立つ機能、体脂肪の減少に役立つ機能があることが報告されています」とした。研究レビューでは最終的に5報の文献を採択。

 届出書によると、採択文献にはスポーツ選手のみを対象にした臨床試験は含まれていない。そのため確認された機能性はあくまでも「自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量及び筋力」に限定されるといい、対象者についても「スポーツ選手を除いた成人健常者」とした。有効摂取量は1日当たり2.4㌘。

 HMBについて同社による過去2件の届出では、筋肉量や筋力の維持をサポートする機能、あるいは筋肉量や筋力の低下抑制に伴う筋肉量や筋力の維持に役立つ機能が報告されている旨を届け出ていた。最新の届出で示した有効摂取量は、過去2件の届出が1日当たり1.2㌘だったのと比べると2倍も多い。ただ、新たに追加した機能性によって、訴求できる層が広がることになりそうだ。

 同社は最初の届出が受付けられて以来、同社製HMBを機能性関与成分にした機能性表示食品の届出支援を積極展開しており、届出を待つ商品が少なからずあるとみられる。また、ほかのHMB原料事業者も届出支援に乗り出す準備を進めていることもあり、届出件数は今後大きく積み上がりそうな気配。

キューサイがHMBサプリ 機能性表示食 届出者は小林香料
 HMBを機能性関与成分にした機能性表示食品のサプリメント(=写真)を、キューサイ(福岡市中央区)が1日に新発売した。HMBを供給する小林香料による届出(番号B185)をフル活用したもので、健康被害の情報収集等の窓口業務全般をキューサイが担う形で販売する。届出者そのものは小林香料のまま。

 商品名は「小林HMBタブレット」で、通常価格は180粒入り(30日分)6210円(税込)。キューサイの公式通販サイトでは今月14日から販売を始める予定。

 小林香料による当初の届出は、同社が昨年12月29日付で、商品パッケージや健康被害情報対応窓口部署名などについて変更届出を行い、届出商品については同社とキューサイが販売業務提携を行うとともに、キューサイが窓口業務全般を行う旨を追記。これにより実質的な販売活動はキューサイが担えるようにした。

 商品名は変えなかった。「小林」とある理由が消費者に分かりかねる可能性は避けられないものの、商品名を変更するためには新規の届出が必要となる。商品名を変えられないデメリットよりも、届出までに時間がかかる機能性表示食品をスピーディに発売できるメリットの方が大きかったといえそうだ。
 届出に関する責任は、あくまでも届出者である小林香料が負う。

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