国立栄研 大阪府に全面移転へ (2017.4.20)


 国立健康・栄養研究所(国立栄研)が大阪府に全面移転されることになった。同府摂津市にある「北大阪健康医療都市」(愛称『健都』) の健都イノベーションパーク内に建設される民間賃貸施設に、2019年度中にも全部移転する方向だ。国立栄研を所管する厚生労働省のほか大阪府が7日、発表した。

 現住所は東京都新宿区戸山。国立栄研は、健康食品の有効性や安全性に関する情報発信や特定保健用食品の許可試験など、消費者庁と連携しながら保健機能食品や健康食品の表示に関する業務を手掛けている。職員数は40名(11年10月現在)とされており、移転の影響が注目されそうだ。

 この移転は、政府が昨年3月22日の「まち・ひと・しごと創生本部」で決定した「政府関係機関移転基本方針」に基づくもの。15年4月に国立栄研を統合していた「医薬基盤研究所」(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所)が大阪府に所在しているため、府が、「統合効果を高める」目的で国立栄研の移転を要望していた。

 厚労省によると全面移転までのスケジュールは、まず今年度中に「国立健康・栄養研究所地域連携推進室」を府に設置。推進室では移転までの間、府や周辺地域の行政、企業、大学との事業・研究連携について検討、調整を行いながら、19年度中を目標に移転を開始。同年度中にも全部移転を完了させる予定だ。

 ただ、全面移転には条件があり、「移転に伴い増加が見込まれる研究所の運営上の負担に対する協力の在り方」について、厚労省、研究所、大阪府等の地元自治体の間で合意が必要となる。合意に向けて協議、調整するほか、継続的に連携方策を検討する目的で、今後、三者間で「会議体」を設置するという。

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