トクホ、関与成分の不足また 買上調査で2品発覚(2017.5.18)


 大正製薬㈱など2社が販売していた特定保健用食品(トクホ)2品目の関与成分量が表示値を下回っていたと消費者庁が17日、発表した。同庁が行ったトクホ買上調査の結果明らかになったもので、2社は同日から対象製造ロットの自主回収を始めた。同庁は、「品質管理の初歩的なところが原因」との認識を示しているものの、現時点では許可取消し処分は行わない考え。

 関与成分量が表示値を下回ることが分かったのは、大正製薬が販売する粉末緑茶「ドゥファイバー 粉末スティック」と、静岡市の茶・食品通販企業、㈱佐藤園が販売する同「緑の促茶」のそれぞれ一部製造ロット。いずれもトクホの表示許可を取得したのは佐藤園で、「ドゥファイバー」は同社が大正製薬にOEM供給していた。最終商品製造元は別に存在する。

 同庁は今年2月から3月にかけてトクホの買上調査を実施。昨年発生のトクホ関与成分問題を受け、時期を前倒す形で昨年9月下旬時点で販売中の7品目(6社)を対象に調査していた。その結果グアーガム分解物(食物繊維として)を関与成分とする同2品目の関与成分量が許可申請書通りでないことが分かった。2品とも1包あたり2.6g含む必要があったものの、最大2割ほど下回っていた。同庁は、「著しく下回っていたわけではない」としている。

 佐藤園は含量が下回った原因について「詳細は現在調査中」としつつ、「推測だが、(原材料が)天然物であることの影響が出た可能性も考えられる」と取材にコメント。「当社としては品質管理をしっかりやっていたという認識を持っている。しかし今回こういう結果になってしまった」という。

 同社は品質管理体制を強化したうえで「緑の促茶」の販売を継続する方針。一方、大正製薬は、「ドゥファイバー」の今後について、「終売する予定」だとしている。

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