ユーグレナ アピ、いすゞ自などに割当増資 バイオ燃料事業の成功に向け(2017.5.22)


 ㈱ユーグレナは19日、アピ㈱、小橋工業㈱、伊藤忠エネクス㈱など5社を割当予定先とする総額11億円の第三者割当増資を実施すると発表した。

 割当先は、アピ㈱、小橋工業㈱、伊藤忠エネクス㈱、千代田化工建設㈱、いすゞ自動車㈱の5社。これらはいずれもユーグレナが2012年に東証マザーズ上場以前・以降に、事業パートナーとなっている会社。第三者割当増資により、バイオ燃料やヘルスケア事業分野でより関係性を強化していくとしている。

 同社は2月に、横浜市の旭硝子㈱京浜工場内に約58億円を投じてバイオジェット・ディーゼル燃料の実証プラントを建設(19年前半稼動予定)することを発表しているが、今回の第三者割当増資の実施により、バイオ燃料事業への参入に向けた本格的な準備が整う形になる。

 エネルギー事業は景気の影響に左右されにくいものの、大規模な投資を続けられる企業体力が求められる。さらに、エネルギーを安価かつ長期にわたり安定供給することが必須であり、多数ある新エネルギー技術の大部分が、これをクリアできない状態にある。

 国内石油業界のバイオガソリンは、キャッサバやトウモロコシなど植物由来エタノールにイソブテンを添加したバイオETBEを1L中に8~10%含有する。実質的には通常のガソリンと大差はない。需要は年間約38万kL程度しかなく、基材はほぼ全量輸入だ。

ユーグレナでは、燃料中で最も価格の高いジェット燃料(ケロシン)向けの研究も行っているが、極微量の含有率であっても、コスト面でクリアできるのか、課題は多い。同社の今後の取組みが注目される。

 今回の増資引き受けを通し、野々垣孝彦アピ社長は、「相互の知見・ノウハウを生かした商品開発力の強化が図られることを期待する」と述べている。

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