機能性表示の届出 書類提出1600件 今年4月末現在(2017.6.5)


 事業者から提出されて消費者庁が受け取った機能性表示食品の届出書類の総数が、今年4月末の時点で、およそ1600件に達していたことがわかった。同庁の川口康裕次長が4日、都内で行った講演の中で明らかにした。

 機能性表示食品制度が施行された2015年4月から16年4月ごろまでおよそ1年間の届出書類提出件数は約900件だった。ペースはやや鈍ったものの、食品関連事業者は積極的に届出書類の提出を進めている様子が浮き彫りになった。

 一方で、受理に至らない届出書類が依然多いことも窺われる。制度施行以来の届出件数は1日現在で912件。受理に至る前に取り下げられた書類も一定数存在するとみられるが、600件あまりの届出書類が受付けられないままとなっている可能性がある。

 同庁は昨秋、担当課の届出書類確認体制を強化。これにより受理スピードが早まったと評価する声も上がっている。ただ、それでも依然、確認よりも新規の届出書類が積み上がるスピードのほうが大きく優る状況に、改善は認めがたいといえそうだ。

 川口次長はこの日、第17回日本抗加齢医学会総会で企画された、機能性表示食品制度に関するシンポジウムに登壇。昨年6月に行われた同学会総会でも同様に講演を行っていた。

 この日のシンポには、新たに同学会の理事長に就任した堀江重郎・順天堂大学大学院教授(泌尿器外科学)も登壇し、「機能性表示食品の男のアンチエイジング」をテーマに講演。堀江教授は、これまでに受理された機能性表示食品について、「男性向けは極めて少ないのが現状」だと指摘した上で、一向に受理されないノコギリヤシ果実エキスの有効性について解説した。

 また、健康増進のために用いられる機能性表示食品は未病が対象になるとしつつ、「尿の切れが良くなるというのが病気なのか未病なのかは微妙」だとコメント。「ノコギリヤシは文献の蓄積も多く、これから臨床試験を行う必要はないのではないか」とも語った。
 

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