食薬区分改正へ 専ら医薬に2成分追加 意見募集開始(2017.6.12)


 厚生労働省は食薬区分(医薬品の範囲に関する基準)の一部改正案を6日までにまとめ、同日からパブリックコメントを開始した。「専ら医薬品」リストには新たに植物のムラサキムカシヨモギの全草、化学物質のホモタダラフィルを追加。「専ら非医薬品」リストには、植物のシデリティス・スカルディカの茎・葉・花、ナガミノアマナズナの種子油を新たに加える。

 また、コウモリガ科の幼虫を乾燥させたトウチュウカソウも専ら非医と判断し、非医薬品リスト収載済みのトウチュウカソウの現行部位(子実体およびその寄主であるセミ類)に加える。鶏肉由来プラズマローゲンも専ら非医と判断し、非医薬品リストにあるニワトリの部位に「可食肉部からエタノール抽出して濃縮したもの」を追記する。海藻のカジメについても同様に専ら非医と判断し、現行リストにある「カイソウ」の部位(海中食用藻類)の中に含める。

 パブリックコメントは来月5日まで受け付ける。

 今回の一部改正案は、厚労省が今年2月6日に開いた「医薬品の成分本質に関するワーキンググループ」の審議結果を受けたもの。

 WGは、事業者から照会を受けたアドニス花弁色素抽出物についても議論したが、専ら非医と認めるのは困難と判断した。アドニス属はもともと全草が専ら医薬品リストに収載されている。同抽出物を照会した事業者は、アドニス花弁由来アスタキサンチンを食品として販売することを検討していたとみられる。

 食薬区分を巡っては昨年末、政府の規制改革ホットラインを通じて産業界から審議過程の不透明感が指摘され、厚労省は次回改正から、判断に至るまでの重要な議論を議事概要に記載する方針を示していた。同省監視指導・麻薬対策課によると、方針は今回のWG議事概要から反映させており、「判断が特に難しい、専ら医薬とする場合について、判断理由や検討内容を詳細に記載した」としている。専ら非医と判断されたものについては従来と同じ書きぶり。

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