原料原産地制度の答申案まとまる 消費者委 食品表示部会(2017.7.31)


 消費者委員会の第43回食品表示部会(部会長・阿久澤良造・日本獣医生命科学大学学長)が28日に開かれ、加工食品の原料原産地表示制度改正に関する答申案をまとめた。

 当日の部会は、答申案が提示されたが、前回と同様、委員から意見が続出する展開となり、特に日本チェーンストア協会の岸克樹委員と日本生活協同組合連合会の井之上仁委員は、「結論として(制度改正案に)賛成できない」として、反対の姿勢を明確にした。

 最後は阿久澤部会長が議論を引き取る形で、答申案が了承された。ただ、答申案は10項目の前提条件、2つの修正点、3つの付帯意見を添付するという異例の形で、特に「経過措置期間終了から2年後を目途として(中略)制度の見直しを実施すること」(前提条件⑩)は、「かなり異例の内容」(樋口一清部会長代理・法政大学大学院教授)とされている。

 前提条件はこのほかに、「消費者・事業者の理解状況に関する目標値の設定」、「監視体制・運用が整っていることが必須」、「全体の中で例外表示(国産又は輸入など)の割合の調査」などが盛り込まれている。

 改正案からの修正点は、①経過措置期間を当初案から2年延長して2022年3月31日までとする②「その他」表示の要件を狭めるの2点。②は、改正案で「その他」表示の用件として、「原産地が3つ以上ある場合は、重量順に原産地を2つ以上表示し、その他は『その他』と表示する」とされている部分がある一方で、一定期間使用割合が5%未満の場合の表示も規定している部分があるため、「『その他』表示に5%未満表示を義務付けない」と明文化する。これにより、重量割合5%未満の原材料をなるべく「その他」表示にさせず、原産地を表示するよう意図したものだ。

 答申案は消費者委員会に報告された後、9月にも内閣府令(食品表示基準改正)として施行される予定。


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