カプスゲル HPMC製造ラインを増設 (2017.9.21)


 カプスゲル・ジャパン(相模原市中央区)が植物性HPMCカプセルの製造ラインを新たに増設し、今月中にも本稼働を始める。

 今年に入ってから受注量が大きく増加していた。現在、同社は健康食品向けハードカプセルを巡る情報発信を強化しており、今回のライン増設も機に、ハードカプセル全体の採用提案を推進していく構え。

 HPMCカプセルの受注増の背景について同社は、「植物由来への関心が素材のハードカプセルに関しても高まっている」と話す。加えて、他社での供給がタイト化した影響も一部で指摘されている。

 ただ、今回製造ラインを増設した植物性HPMCカプセル「ブイキャップス プラス」(Vcaps Plus)は、ゲル化剤を一切使わず、HPMCと水のみでカプセル被膜を形成させるという独自性がある。それによりpHの影響を受けにくくなり、カプセルの崩壊性と内容物の溶出性に優れるのが特長。機能性表示食品制度への対応を販売各社が進める中、植物性であることを訴求できるとともに、こうした品質管理の面から安心感のある製剤特性に関心が高まっている可能性も考えられる。

 日本の健康食品市場は米国と異なり、ハードカプセルよりもソフトカプセルの市場占有率が顕著に高い。
 その背景の一つには、「ハードカプセルの特性を十分に伝えきれていない」こともあると同社は推測する。だが、「剤型の中でもハードカプセルは優れた『デリバリー・システム』。原材料(内容物)の特性や安定性を損なわずに効率よく届けることができる」と同社は強調。そのうえで、「ゼラチン以外にもHPMCなどさまざまなカプセル被膜があり、原材料の特性に合わせた製剤開発が可能。最近では液体を充填することもできる」という。

 「当社はハードカプセル専業メーカーとして50年以上の歴史があるが、医薬品向けに比較して、健康食品分野へのハードカプセルの基本的な特性に関して情報発信が足りなかった」──こう反省の意も語る。それもあって同社は現在、ハードカプセルは「上市されている製品のどれもが決して同じではない」ことの普及啓発活動を展示会等の機会を通じて進めている。「ハードカプセルに対する理解をより深め、新しい(最終)製品を開発してもらいたい」


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