丸善製薬 美容食品向けに新提案 コラーゲン〝再生〟の新理論(2017.10.12)


 植物由来素材を活用した美容食品の新たな機能性として、丸善製薬(広島県尾道市)が「コラーゲンの再生」を打ち出す。従来から訴求されてきた、コラーゲンの産生促進および分解抑制に対し、紫外線の影響で劣化したコラーゲンの再生を加えた新理論。コラーゲン再生作用が示唆される植物エキスも明らかにしており、この理論を最終製品開発に応用してもらい、コラーゲン飲料など美容食品市場の活性化につなげたい考えだ。

 新理論の採用提案は、化粧品市場で先行させており、今後は化粧品と健康食品の両分野から提案を図る。提案にあたっては、「サスティナブル・コラーゲン(持続可能なコラーゲン)」などといったスローガンを掲げる。

 蓄積することで肌のシワの原因にもなる、劣化コラーゲン(断片化コラーゲン)を再生させるという新理論の鍵となるのは、皮膚の線維芽細胞に存在する「Endo180」と呼ばれるタンパク質。劣化コラーゲンを回収する働きがあるとされる。

 同社によると、新理論のコンセプトは、Endo180の産生促進を通じて細胞外の劣化コラーゲンを細胞内へ効率的に移動させるというもの。これにより、細胞外の環境負荷を取り除きつつ、細胞内で新しいコラーゲンに再生する流れを生み出すことで、コラーゲン産生の効率を高めることが期待できるという。

 Endo180の産生促進作用が示唆される植物エキスも明らかにした。現時点ではin vitro試験によるものだが、同社が化粧品および健康食品向け原料として製造販売しているレモンバームエキスがそれ。「ヒト試験は今後になるが、植物由来素材の中にはコラーゲンを再生させるポテンシャルを持つものが確かにある」と話しており、レモンバームエキス以外にも同作用を持つ植物由来素材の探索を現在進めている。

 丸善製薬では、Endo180の産生促進作用に伴うコラーゲン再生に関する研究を2015年以前から進めていた。昨年には、国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)の世界大会で、Endo180の発現低下と皮膚の光老化の関係について研究成果を発表している。


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