ASCON、「自ら評価」を要請へ 機能性表示食品の独自評価 届出者の負担増必至
(2017.10.12)


 機能性表示食品の届出情報を独自基準で第三者評価している市民団体「ASCON」(阿南久理事長)が、評価方式を変える。評価はASCONに設置された「科学者委員会」が行っているが、委員会が作成した届出情報点検表への記入および評価を届出者自らに行ってもらい、それを科学者委が検証する方法に変更する。届出番号「B」番台の評価から新方式を適用するという。


 そもそも機能性表示食品は、届出者が機能性などの科学的根拠を自ら評価し消費者庁に届け出るもの。ASCONの新評価方式は、届出者に二重の「自ら評価」を要求する形になるといえ、大きな波紋を呼びそうだ。


 ASCON科学者委による届出評価方式には変遷がある。もともと科学者委が届出情報を個別に調べ、点検表に記入し、評価も科学者委自らで実施していた。その後、評価は科学者委で行う一方、点検表の記入は届出者に依頼する方式に変更。それが今後は、届出者に点検表の記入から評価までを自ら行ってもらい、その検証のみを科学者委が行うことになる。


 評価方式の変更目的について科学者委は、「事業者の自己点検および自己評価の促進を願って」などとしている。


 ただ、科学者委副委員長の鈴木勝士氏(日本獣医生命科学大学名誉教授)は、10日にASCONが開催した機能性表示食品制度に関する意見交換会の中で、科学者委だけで届出資料を点検・評価するのは「けっこう大変」、「(機能性の根拠に関する届出様式は点検表のように)分かりやすくない」などと発言。科学者委の負担を減らしたい考えもあったのは明らかだ。


 科学者委は「少ないメンバーで評価している」(阿南理事長)という事情があるにせよ、届出者の負担は一層増すことになる。「事後チェック制」を柱の一つとする制度主旨を踏まえ、ASCONの取り組みに理解を示す業界関係者は多いものの、新評価方式が届出者に受け入れられるかは微妙。実際、直近の届出評価ではASCONの要請に応じなかった届出者が複数出ているもようだ。



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