措置命令が波紋 対象外企業まで影響 報道受けて相次ぐ返品・返金要求 消費者が誤解(2017.11.13)


 機能性表示食品の一部販売会社に対する措置命令の影響が、処分を受けていない企業にまで広がっている。消費者庁の発表を伝えたテレビなどの報道を受け、消費者から返品・返金を求められたり、苦情や問い合わせが寄せられたりした。業界内でも、今後の取り扱いを検討する考えを示した販売会社が出ている。

 7日に消費者庁が発表した措置命令は、葛の花由来イソフラボンを機能性関与成分とする機能性表示食品のあくまでも広告宣伝に対し、景品表示法違反(優良誤認)が問われたもの。だが、一部の報道や情報番組では、「消費者庁が調べたところ実際には痩せる効果の根拠はなかった」などと、あたかも葛の花由来イソフラボンそのものや、その機能性(科学的根拠)に問題があったかのように報じた。

 「成分自体に効果がないとする誤った情報が(消費者に)伝えられてしまった」。措置命令を受けていないある通信販売会社はこう指摘。同社は葛の花の機能性表示食品を販売しているが、発表のあった7日の夜から9日の3日間にわたり、顧客などから数十件の返品・返金の申し入れがあったという。

 同社の代表は「効果がない(と報道等では伝えられている)から返金して欲しいと。クーリングオフ期間は過ぎているし、機能性に疑義が生じたわけではないため、返金に応じれば状況に屈したことになる。ただ、当社を信頼して購入して下さっているお客様を裏切るかのような現状はとてもつらい」と話す。

 同社は7日、今回の措置命令は葛の花の機能性を否定するものではないとする声明をホームページに公表。別の企業でも9日に同様の声明を公表しており、この企業も措置命令を受けていないが、消費者から返金要求などが相次いだ可能性がある。

 葛の花由来イソフラボンは、特定保健用食品の関与成分として国の許可を得ている。ただ、今回の措置命令を巡る一連の報道では、その点をほぼまったく伝えていない。

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