安全性対策 過剰規制に警戒感 「リスク高い成分」って何?(2017.12.4)


 厚生労働省が国会への法案提出準備を進めている改正食品衛生法や、食品衛生規制の見直しに絡んだ健康食品の規制強化に警戒感が強まっている。捉え方に温度差はあるが、同省が示している「リスクの高い成分」を巡る規制にとりわけ強い警戒感が抱かれている。そうした成分が「リスト化される」との推測も言われており、過剰規制となるおそれに事業者からは反発の声も上がり始めた。

 厚労省が先月15日に公表の食衛法改正や食品衛生規制の見直しに向けた『食品衛生法改正懇談会取りまとめ』(報告書)。ここでは保健機能食品を含めた健康食品全般について、「健康被害を未然に防止するために、法的措置による規制の強化を含めた実行性のある対策の検討を行うべき」とされている。関係者からは、「法的措置による」の文言が含まれることに注目する見方も出ている。

 「リスクの高い成分」についても報告書で言及されており、「カプセル・錠剤等の形状で抽出・濃縮等された特定の成分を多量に摂取する可能性がある食品」とともに、「対策」の対象とする方向性が示されている。

 複数の業界関係者によると、厚労省は最近、「リスクの高い成分」を含む食品の名称を「要管理成分含有食品」とする案を示しており、その「例」として、ホルモン、アルカロイド、神経作用物質、その他毒性物質などを挙げているという。ただ、現時点ではあくまでも「案」の段階で、業界団体等の意見も聞きながら最終的に取りまとめる方向のようだ。

 一方で、「その可能性は低いと考えている」と話す関係者もいるが、「要管理成分」がリスト化される可能性に強い懸念の声も上がる。厚労省は例えば「ホルモン」を挙げているが、その対象範囲は女性ホルモン様物質を含むプエラリア・ミリフィカから大豆イソフラボンまで幅広く、一律にリスト化されれば、本来規制の必要がない素材にまで影響が及ぶ可能性が出てくる。

 「リスクが高い成分は食薬区分で使用を禁じればいい。規制される必要のないものまで影響を受けるような規制はおかしい」──ある業界関係者はこう話している。

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