日本抗加齢協会 届出「事前点検」に対応 軽微ミスをチェック(2017.12.21)


 日本抗加齢医学会の姉妹団体、日本抗加齢協会(吉川敏一理事長)が機能性表示食品の届出資料「事前点検」事業を開始する。協会賛助会員へのサービスの一貫として有料で行う方向だ。ただ、「基本的にエビデンスの質の点検までは行わない。あくまでも外形的なものとなる」と協会関係者は話す。

 今年6月に閣議決定された規制改革実施計画で、制度を所管する消費者庁への要求事項として、届出手続の迅速化・効率化を目的に、業界団体等による事前点検の仕組みを構築することが求められていた。実施期限は2018年度中で、抗加齢協会の事前点検が本格化するのは来年度以降とみられる。

 他の業界団体も届出資料の事前点検に対応する見通しだ。確実視されているのは日本健康・栄養食品協会(下田智久理事長)。協会会員企業30社が参画する「届出資料検討部会」を立ち上げ、チェックシートの作成などを行っている。当面のところ、抗加齢協会と日健栄協の2団体によって事前点検が進められることになりそうだ。

 一方、抗加齢協会では、機能性の科学的根拠の質や中身までは点検しない方針を示しており、点検事項は軽微なミスの有無にとどまる見通し。企業ニーズとしては、科学的根拠の質や中身まで点検してもらえれば安心感が高まるといえるが、点検する側にとってはマンパワーの確保が課題となる。また、両団体とも研究レビュー代行など届出支援事業を手掛けており、事前点検と支援の違いを明確にする必要がある。

 ただ、軽微なミスの点検にとどまったとしても、事前点検が入ることで、届出受理までの日数が短縮されるとの期待が業界関係者の中にもある。別の業界団体関係者は、「届出書類をチェックする時間の半分が『間違い探し』に費やされていると聞く。事前点検によって単純なミスを減らすだけでも、消費者庁の書類チェックスピードが倍増することになる」と話す。

 他方で、軽微なミスの事前チェックをしてもらうために、企業はどの程度の費用を投じることかができるか。企業にとっては、事前点検の料金体系が気になるところといえそうだ。

 なお、消費者庁は、届出者に不備指摘を行うまでの所要日数について、書類提出後55日を上回らないようにする目標を掲げている。



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