ライコレッド、日本法人設立へ ユーザー支援体制を強化 (2018.1.25)


 イスラエルの天然カロテノイドメーカー「ライコレッド」(ロニー・パティシ‐チリム社長)が、日本法人を設立する。設立時期は確定していないが、「ライコレッドジャパン」として法人登記し、将来的には、日本支社をアジア市場全体の足掛かりとする。

 トマト由来リコピンを中心に、同社製品は日本市場で長年販売されているが、これまでは日本駐在事務所として活動していた。日本法人設立の狙いは、国内販売代理店や製品ユーザーに対するサポート体制の強化。また、新規顧客の獲得も加速させる。

 法人化に向け、日本オフィスは昨年11月、東京・品川グランドセントラルタワー内に移転した。体制変更も実施し、これまで部門を一本化させていた食品添加物と、サプリメント・機能性食品をそれぞれ分離。人員体制も強化した。これにより、販売代理店や顧客へのサポートを、従来よりも機動的に行えるようにした。

 サプリメント・機能性食品を担当する健康事業部の「コマーシャルヘッド」には、グローバルに展開する乳酸菌メーカーで営業やマーケティングを手掛けていた下戸秀聡氏が昨年9月に就いた。下戸氏は今後の活動について「ディストリビューター(販売代理店)と戦略を共有しながら、ナチュラル・カロテノイドのリーディングカンパニーとして、日本社会にウェルネスに提供していきたい」と語る。

リコピン、美容市場に拡販
 ライコレッドは日本市場について今後、最主力製品であるトマト由来リコピン「ライコマート」の需要拡大を図る。欧米市場で美容サプリメント向け需要が伸びており、この流れを日本市場にも呼び込みたい考えだ。「ライコマートにとって日本での美容分野は事実上の新市場。そこで新規顧客を広げたい。そのために、機能性表示食品の届出サポートを行う」(下戸氏)と言う。

 研究レビューの用意もできている。紫外線の影響で肌に生じる「赤らみ」の軽減を訴求する、従来にない機能性表示を実現させ、届出サポートを展開したい考えだ。

 強い抗酸化作用を持つことで知られるリコピンやライコマートはもともと、紫外線に伴う「紅斑」の軽減作用に関する臨床試験結果が論文報告されており、研究レビューではそれら文献を活用。またライコレッドでは現在、ライコマートが肌に及ぼす有効性を検証する比較的大型な臨床試験を海外で進めており、今後これによるエビデンスの強化も図る。

消費者向け普及啓発活動も
 一方、国内販売代理店の一つであるサンブライトによると、ライコマートはいわゆる健康食品で需要が伸びている。特に、ノコギリヤシ果実エキスとの複合で販売量が大きく増加傾向。そのためライコレッドでは、既存製品ユーザーに対する販売支援にも力を入れる。その一貫として、海外ですでにスタートしているライコマートの一般生活者向け普及啓発サイト「ライコペディア」について、近く、日本語版を開設する予定だ。

 「当社の言う『Wellness』とは『Aging Well』(健康的に年を重ねる)のこと」と下戸氏。「当社製品を通じてそれを提供していくためのプラットフォームをつくり、これまでに蓄積した、あるいはこれから新たに取得するエビデンスに基づき、肌、目、心臓の健康──など、様々なアプリケーション提案を行っていきたい」



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