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　厚生労働省は1日、中国産蜂の子を輸入する全ての企業に対し、輸入届出ごとに全ロット検査を義務づける命令を食品衛生法に基づき行い、発表した。中国産蜂の子の輸入時に、農薬に使われる抗生物質のオキシテトラサイクリンが立て続けに検出されたことに伴う措置。

　厚労省輸入食品安全対策室によると、昨年9月、山田養蜂場が中国から輸入した蜂の子パウダーから同物質0.02ｐｐｍが検出されたほか、今年1月にも、山宏実業が山田養蜂場とは別の中国企業から輸入した蜂の子パウダーから0.06ｐｐｍが検出。2回にわたり違反が認められたために検査命令を出した。ただ、オキシテトラサイクリンの許容1日摂取量は体重1㌔㌘あたり1日0.03㍉㌘で、健康に及ぼす影響はないと考えられる。

　日本はオキシテトラサイクリンの残留基準値について、ハチミツに関しては0.3ｐｐｍと定めている。一方、蜂の子についてはそうした基準値が設定されておらず、検出されるだけで違反となる。

　厚労省は、登録検査機関の検査受託体制が整うまでの間については輸入者自らが全ロット検査を実施するよう指導し、オキシテトラサイクリンを含有しないことが確認できるまでは国内流通を事実上禁じる措置を取った。

　中国産蜂の子を輸入する企業の一部では、昨年末ごろから自主検査などを強化しており、「リードタイムが従来よりも大幅に長くなっているため、供給がタイトになっている」と話す。検査命令が解除されるまでそうした状態が続く可能性が考えられ、供給を受ける最終製品販売企業にとっても痛手になりそうだ。

　輸入食品安全対策室によると、中国産蜂の子の2016年度輸入実績は合計31㌧。オキシテトラサイクリンに関して5回のモニタリング検査を行ったが、違反件数はゼロだったという。