強壮訴求、12年は違反ゼロ 未承認医薬品 国立医薬品食品衛生研究所が報告(2018.2.8)


 大半は輸入品と考えられるが、毎年のようにシルデナフィルなど医薬品成分の違法含有が確認される強壮訴求の健康食品について、2012年に限っては買上調査で違反件数がゼロ件だったことが、7日に都内で開催された医療経済研究・社会保険福祉協会主催「健康食品フォーラム」で講演した、国立医薬品食品衛生研究所生薬部第3室室長の花尻瑠理氏の話で分かった。

 年間で200件近くの買上調査が行われ、毎年一定の割合で違反が確認されている一方、12年に限ってゼロ件だった背景について花尻氏は特にコメントしなかった。

また、2009年に初めて発見され、業界の注目も集めたカプセル基材からの無承認無許可医薬品成分の検出については、以降、検出事例は認められていないと話した。
 一方、近年では、違反の確認される食品がサプリメント形状に限らないといい、粉末コーヒーやガム、キャンディなどの嗜好品からもシルデナフィル等が検出。中には医薬品としての有効摂取量以上の量を含む製品もあるという。

 また、11年から始めた日本語サイトに限定にしたインターネット買上調査では、16年まで連続して無承認無許可医薬品成分が検出され、未検出よりも検出される割合の方が多いと説明。その背景については、あらかじめ検出が想定される「ワードで検索しているため」と分析した。

 花尻氏は「インターネットで表立って販売されていても、品質や安全性が担保されているわけではない。そこで販売されている(強壮用健康食品を含む)いわゆる健康食品には実態の分からない製品があり、安易に利用すると健康被害を受ける可能性がある」などと話している。

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