食衛法改正骨子案 「規制範囲拡大を」パブコメに意見(2018.2.22)


 15年ぶりとなる食品衛生法の大型改正をめぐり、厚生労働省が先月19日から募集していたパブリックコメントが7日、締め切られた。複数の団体が意見提出したことを明らかにし、内容を公表。健康食品に関する規制をめぐっては、過度にならないよう求める意見も上がる一方で、消費者団体などは規制範囲の拡大を求めている。

 このパブコメは、有効識者懇談会などを経て厚労省がまとめた「食品衛生規制の見直しに関する骨子案(食品衛生法等の改正骨子案)」に対して行われたもの。骨子案では、健康食品など食品について「特別の注意を必要とする成分」を食品安全委員会などの意見を聞きながら厚労大臣が指定し、それを含む食品を製造販売する企業に健康被害情報の報告を義務付ける法改正を行う方向性が示された。

 全国消費者団体連絡会は先月30日に意見を提出した。この中で、健康食品の健康被害は「摂取方法や過剰摂取に起因する」と指摘。そのうえで健康被害情報の報告について「特別の注意を要する成分等を含む食品に限らず行われることが重要」とし、健食全般を対象にするよう要望した。

 また、健康被害情報の報告を義務付けるだけでは満足できない考えも示した。製造管理(GMP)をはじめ原材料および最終製品の「安全性確認」の義務化も要求。安全性確保に関する法的措置も骨子案に盛り込み、着実に実行するよう求めた。

 日本生活協同組合連合会も消団連と似たような意見を提出した。特別の注意を要する成分について「成分を広く捕らえるとともに、健康被害情報やリスク情報を国内外問わず幅広く収集し、処理し、発信する」よう要望。また、骨子案には直接関係しないが、「健康食品」という呼称の見直しを求めた。

 一方で、一部の健康食品業界団体と間接的な関係を持つ食品産業センターは、提出した意見を6日に公開。特別の注意を必要とする成分の指定については「過度で不必要な指定とならない」よう釘を刺した。密室で議論されることで指定成分が不必要に拡大していくことに懸念を示したものといえ、「関連業界の知見と意見を広く吸収してご検討願う」としている。


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