大麦若葉末 腸内細菌叢改善作用を確認 東洋新薬がヒト試験で 
(2018.4.12)


 大麦若葉末の摂取が腸内細菌叢の改善を促すことを、東洋新薬がヒト試験で確認した。東京大学分子細胞生物学研究所の白髭克彦教授との共同研究で確認したもの。日本農芸化学会2018年度大会で報告した。大麦若葉末を使ったヒト試験で腸内細菌叢改善作用が確認されたのは初とみられる。腸内細菌叢の同定には、次世代シークエンサーを用いた16SリボソームRNA解析を行った。

 同社は、2016年10月に東京大学と連携協定を締結し、健康食品、化粧品向けの新規素材、製剤技術の開発および実用化に向けた共同研究の推進に取り組んでいる。今回の大麦若葉末に関する新知見は、その成果の一環。

 同社によれば、大麦若葉末の機能性についてはこれまでの研究で、その摂取により角層水分量の増加など皮膚の状態改善作用を示す結果が得られていたが、メカニズムは明らかでなかった。そこで共同研究では、メカニズムの解明を目的に、大麦若葉末摂取による皮膚状態の改善作用と腸内細菌叢の改善作用をヒト試験で検証した。

 試験では、健常成人女性28名を被験者にした二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を実施。その結果、摂取4週間後および8週間後の角層水分量の変化量について、プラセボ群との比較で有意な増加が確認できた。また、摂取前後の腸内細菌叢の変動を調べたところ、プラセボ群との比較で、善玉菌といわれるビフィドバクテリウム・ロンガムの増加傾向が認められた。逆に、悪玉菌とされるクロストリジウム科およびエリシペロトリクス網の有意な減少、または減少傾向が認められたという。


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