改正食衛法案、国会審議スタート まずは参院 日程タイト? 厚生労働委、審議1回で採決(2018.4.12)


 参議院厚生労働委員会は12日、今国会で初となる改正食品衛生法案について審議し、全会一致で原案の通り可決した。加えて、各派共同提案による付帯決議案も賛成多数で決議した。

 法案は通常、先に衆議院で審議されるが、森友問題などで今国会は審議日程がタイトなためか、参院からの審議開始となった。法案の趣旨説明は事前に行われていたが、わずか1回の審議での採決は珍しい。この日の審議時間は5時間余り。今後、参院本会議で審議する。

 附帯決議は、法の施行にあたり、適切な措置を講ずるよう、政府に求めるもの。健康食品についても以下の通り求めた。

 いわゆる健康食品による健康被害の防止の観点から、製造工程管理による安全性確保の徹底と、製造段階における危害発生防止対策を強化するとともに、健康食品一般に関する正しい知識の普及啓発に努めること▽また、テレビ等を通じた無店舗販売の増加の状況に鑑み、広告表示のあり方等を含め、適切な措置の検討を行うこと▽さらに、健康被害を生じた消費者が、医療機関を受診する際に、健康食品使用の有無を確認する方策について検討を行うこと──。

 このように、附帯決議案には、健康食品に関する広告表示のあり方に関する適切な措置の検討も盛り込んだ。法案が成立すれば、表示を所管する消費者庁が対応に乗り出すことになる。

 審議中継を全て確認したわけではないが、改正法案に盛り込まれた、「特別注意成分」を含む健康食品による健康被害情報の収集を巡る発言が少なくなかったようだ。無所属クラブの薬師寺みちよ氏は「健康食品の定義のないこと自体が時代遅れ。大臣が音頭を取り、法的定義も含めて整備していくと号令をかけていただきたい」と加藤勝信厚生労働相に要望。厚労相は「情報収集等をまずはやっていかないとならない」と答えるにとどめた。

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