プロテイン、需要拡大まだ続く 原材料安値安定(2018.4.19)


 プロテインの底堅い需要拡大が続いているようだ。

 販売大手の明治、森永製菓、江崎グリコのプロテイン関連商品の2017年度の業績は好調な模様で、3社ともに需要は拡大を続けているとの判断でほぼ一致している。

 プロテイン商品の中心は乳製品由来(ホエイ)だが、ここ1~2年は米国で人気となった植物由来プロテインの需要も拡大している。関係者によると、ユーザーの多くは女性層で、主にダイエット用途で売上を伸ばしつつあるという。

 また、最近は国内商品よりも価格が割安な海外商品も、ネット通販を中心に急速に伸びている模様で、「ひとつの脅威になりつつある」(国内メーカー担当者)という。

 しかし、植物由来、海外商品も含めて、「互いのシェアを食い合うという状況ではなく、プロテイン市場全体が拡大している流れになっている」(商社担当者)という。こうした動きから、17年のプロテイン市場は前年比2割増になるのではとの強気の見方も出ている。

 プロテイン市場の好調を支えるもうひとつの要因は、原料であるホエイの価格下落だ。ホエイはニュージーランド、北米、EU(主にデンマーク)が生産地域だが、関係者によると、ここ1年、世界の主要乳製品メーカーのいずれもが、プロテイン向けの主要グレードであるWPC80(タンパク質80%)の増産に乗り出しているという。

 ホエイはチーズの副産品のため、元来はチーズ需要の影響を受けて生産量と価格が変動していたが、「最近はチーズ生産量の増加もあるが、明らかにホエイを増産する目的で各社とも設備を増強している」(商社関係者)という。このため、価格は直近6カ月間では「ほぼ底値に近い状態。しかも供給量は今後も安定している」(同)という。

 プロテイン需要の拡大とともに、ホエイの供給量も増加しているため、ホエイの安値競争が起きているという。「ただし、価格は下落してもボリュームが増えているため、原料供給側としては採算の悪化は回避できている」(同)としている。

 プロテインのOEM企業、最終商品の販社にしてみれば、需要拡大と同時に原料価格が安値安定していることも、好調の追い風になっているといえよう。


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