ビワ種子健康茶など商品テスト 国セン 厚労省などに対策求める(2018.6.19)


 国民生活センターは14日、記者説明会を開き、ビワ種子を使用した健康茶やウメエキスなどシアン化合物が含まれるバラ科サクラ属植物を原材料とする商品の分析試験結果を発表した。

 テスト対象は、大手ネット通販サイトや神奈川県内のドラッグストアで販売されているビワ、ウメ、プルーンのみを原材料とするビワ健康茶4銘柄、ウメエキス4銘柄、プルーンエキス2銘柄で、ビワとウメエキスは国内産、プルーンは海外産が表記されていた。

ビワ健康茶4銘柄は、いずれも種子または葉を粉砕などしたものをティーバッグ形態にしたもの。試験はまずティーバッグ状態でのシアン化合物濃度を分析した。その結果、ビワの葉を原材料にしたもの(1銘柄)は0.3ppmと基準の10ppmを下回ったのに対し、同種子を原材料にしたもの(3銘柄)は160~660ppm検出された。

 次にビワの種子を原材料にしたティーバッグ3銘柄について、商品に記載される使用方法を参考に、飲用状態での侵出液の濃度を測定したところ、1.7~7.3ppmと基準を下回った。

 これらの結果、ビワの種子を原材料にした製品については、飲用量の目安が記載されていないことから、健康に悪影響を及ぼすおそれがないとされる値(20μg/kg体重)を超える可能性があるとした。

 一方で、ウメエキスは4銘柄中3銘柄で10ppmを超えていたが、1日摂取目安量が多いものでも3gとされているため、健康に悪影響を与える値は超えないとした。プルーンエキス2銘柄は、いずれも基準を下回った。

国民生活センターでは、事業者に対して、最終製品で10ppmを超えるものは、保健所に相談して必要な対応を講じるほか、品質管理とリスク低減対策を実施することを要望した。厚生労働省と農林水産省に対しては、必要な指導を要望した。

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