東京都のネット監視 健食181件に改善指導 定期購入巡る相談も多く(2018.8.9)


 東京都による2017年のインターネット広告監視の結果、機能性表示食品を含む健康食品181件が改善指導を受けた。景品表示法の観点から調べたもので、摂取するだけで痩身効果が得られるかのような表示を問題視した。健康食品の「定期購入」を巡る相談件数も引き続き増加しているという。17年度は前年度から約200件増え、1743件に達した。

17年度 2.4万件を監視
 東京都・生活文化局は、2017年度の景品表示法に基づくインターネット広告の誇大・不当表示の監視結果をまとめ、健康食品や化粧品など354件(338事業者)を改善指導したと発表した。同年度では、健康食品と化粧品の広告で誇大な効能効果を謳う表示が多かったとし、健康食品181件、化粧品86件を改善指導した。7月30日に発表した。

 インターネットの広告監視数は前年同様の2万4000件で、改善指導数などはほぼ前年並み(前年357件、356事業者)だった。改善指導を内容別にみると、健康食品や化粧品、美容雑貨などで優良誤認のおそれがあるものが329件、有利誤認のおそれが84件、過大な景品類の提供のおそれが7件だった。都・取引指導課によると、健康食品の優良誤認のなかには特定保健用食品は含まれていなかったが、機能性表示食品は数品該当していたという。

 健康食品、化粧品の広告で問題とされた表示例として、「食事制限なし!マイナス6cm(当社調べ)」など商品を摂取するだけで痩身効果が得られるかのような表示や、「シミ・シワができたとしても~」「白く戻す」など商品を使用するだけでシミなどを改善できるかのような表示を挙げている。

定期購入の相談200件増
 東京都・生活文化局は7月24日、2017(平成29)年度の消費生活相談概要を発表した。昨年度急増した、健康食品の「お試し品」の申込みから定期購入にいたる相談件数は17年度も増え、前年度から約200件増の1743件となった。各相談を年齢別にみると、20歳未満から70歳以上の全年齢層で前年の相談件数を上回ったという。

 インターネット通販などによる健康食品や化粧品などの「定期購入」相談件数は、前年から約500件増え計2600件。うち健康食品は1743件と半数以上を占め、化粧品は666件、飲料は191件とこちらも前年から増加している。定期購入に関わる相談では女性が75%と多かった。

 17年度の、都及び都内区市町に寄せられた消費生活相談の総件数は前年比2.0%減の11万8361件だった。全体の件数は若干減った一方で、60歳以上の高齢者の相談件数は対前年比1.1%増の3万7479件となり、全体の3割を超えている。平均契約金額も、59歳以下の106万円に対し高齢者は178万円と、件数、金額ともに高い状態が続いている。

 17年度の相談の特徴として、大手通販サイト事業者や国の機関を名乗る架空請求や、仮想通貨をめぐるトラブルとともに、健食の定期購入トラブルを主な相談事例として取り上げている。


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