大麻草成分 岩瀬コスファが準備進める(2018.11.22)


 大麻草の茎や種子を原料にして製造するCBD(カンナビジオール)オイルの日本国内での発売準備を、化粧品・健康食品原材料販売の岩瀬コスファが進めている。CBDオイルを巡っては、2015年以降、最終製品を輸入販売する企業が日本でも見られ始めていた。

「THCを完全除去」
 マリファナの主成分として知られるTHC(テトラヒドロカンナビノール)は大麻草の葉や花に多く含まれており、それらが混入するようなことがあれば大麻取締法違反に問われる可能性もある。そのため、CBDオイルは取り扱いには極めて慎重な姿勢が求められる素材だが、同社は近年になり報告されているCBDの機能性の高さや市場性に注目した。来春からの本格供給を目指している。

 日本で原材料供給などを行う予定のCBDオイルは米国から輸入する。米コロラド州の大麻草栽培農場で管理栽培される、THC含量の低い大麻草の茎や種子のみを原料としてCBDを抽出し、THCを完全に取り除いたCBDオイルを現地で一貫製造。これを輸入販売する計画だ。現在、現地メーカーや日本での協力企業などと連携して供給体制の構築を進めている。

 CBDとは、大麻草の茎や種子に多く含まれる、ポリフェノール構造を持つとされるフィトケミカルの一種。葉や花に多く含まれるTHCには幻覚作用などがあるとされるのに対し、CBDにはそうした作用がないとされる。

 一方、岩瀬コスファによると、CBDは近年の研究で、リラックス(鎮静)作用や認知機能への有効性が報告されている。また、複数の外電が9月に報じたところによれば、米国飲料大手がCBDを健康飲料に配合する研究を進めているなどとした上で、「健康飲料の材料としての成長に注目している」などとするCBDに関するコメントを伝えている。

 岩瀬コスファは取材に「CBDオイルは米国など欧米各国で市場が伸びている。WHO(世界保健機関)が安全性を評価してもいる。サプリメントから化粧品まで利用できることも魅力だ」とした上で、サプリメントとして活用する場合の将来像について、「医師が取り扱うような状況になれば」と期待感を示した。

 日本の大麻取締法における大麻とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)とその製品を指す。ただし、大麻草の成熟した茎および種子と、それぞれから作られる製品は規制対象から除かれている。



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