ユーグレナ、業績に変調 18年度 広告投資カバーできず(2018.11.22)


 ユーグレナは7日、2018年9月期連結決算を発表した。売上高は対前年比9.3%増の151億7400万円の増収を計上したが、損益面では経常損失10億9700万円(前年度は経常利益12億円)と赤字に転落した。前期上期において広告宣伝費を積極的に投資したが、直販化粧品の定期購入顧客のリピート期間、回数が想定を下回るなど、投資分をカバーできなかったことを要因に挙げている。

 19年度は、エネルギー・環境事業において、バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントが竣工することに伴い建設費など約64億円を計上することから、経常損失が64億円と拡大する見通しを立てている。

 ただ、第4四半期期間の概況は、広告宣伝投資を縮小し販売収支の改善に努めたことで直販部門の売上高自体は減少したものの、OEMの売上伸長により四半期売上高は過去最高の40億3800万円を計上している。ヘルスケア事業のセグメント損益では、広告宣伝投資の方針変換で4億870万円の黒字に転換させている。

 今期のヘルスケア事業では、前期までの〝成長投資〟から〝選択と集中〟に方針を切り替え、サプリメントのドラッグストア向け販売の強化など事業の拡大を図る。

鈴木氏、福本氏が取締役退任
 同日には、12月21日付の役員人事が発表され、新任取締役として、慶應義塾大学総合政策学部准教授の琴坂将広氏と、コンサルタント業を営むプロノバの岡島悦子代表取締役社長の2名を社外取締役に選任した。同社では9月に、取締役会の監督機能と業務執行機能分離を目的とした人事異動として、研究開発担当の鈴木健吾氏と、ヘルスケア事業担当の福本拓元氏の2名が12月21日付で取締役を退任し、執行役員として業務を執行することを伝えていた。同2名はユーグレナの創業メンバー。

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