非医→専ら医薬 10植物、区分変更へ 厚労省、食薬区分改正で意見募集 NMNを非医に(2019.11.18)


 厚生労働省は18日朝、食薬区分リスト(医薬品の範囲に関する基準)の一部改正に関するパブリックコメント(意見募集)を開始した。来月17日(必着)まで行う。

 食薬区分を所管する同省監視指導・麻薬対策課は、今回の一部改正で、計10の植物由来物について、「専ら非医薬」から「専ら医薬」への区分変更を一斉に行う考え。一方、化学物質については、NMM(β‐ニコチンアミドモノヌクレオチド)とニコチンアミドリボシドクロライドの2成分本質を、専ら非医に新規収載する考えを示している。

 非医から専ら医に区分を変える考えが示された植物は以下の通り。カイコウズの全草▽カンレンボク(キジュ)の全草▽クジチョウの全草▽ハナビシソウの全草▽ヒヨドリジョウゴ(ハクエイ/ハクモウトウ)の全草▽ヒルガオの根▽ルリヒエンソウ(ラークスパー)の全草▽エンベリアの果実▽ケイコツソウの全草▽コオウレンの茎・根茎──以上、現在は非医リストに収載されている10植物。

 ヒルガオについては、地上部は非医のままとする考えが示されている。

 以上10植物を原料にした健康食品・サプリメント向け原材料が国内で現在流通しているかどうか定かではないが、専ら医薬へ区分変更されれば、食品としての販売は事実上不可能になる。

 厚労省は今年5月、少なくとも16の植物について、非医から専ら医薬への区分変更を検討する考えを示していた。今回、区分変更する考えが示された10植物は、全てそれに該当する。

 残り6植物について厚労省は、引き続き有識者などの意見を聞きながら区分変更の必要性を検討する。残り6植物には、食品用原材料として現在流通しているものが複数含まれており、事業者に与える影響も大きい。同省としても慎重に検討している模様だ。

 今回の食薬区分一部改正案でこの他、「スーパーフード」と呼ばれることもある穀物の一種、テフの果実を非医に、逆に、植物のダイフクヒ(ビンロウ/ビンロウジ)の種子を専ら医薬(果皮は非医のまま)に収載する考えなどが示されている。

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