ルテオリン 増える届出 2ケタ台に 尿酸値対応で味覚糖も(2019.12.26)


 菊の花エキス由来ルテオリンを機能性関与成分にした機能性表示食品の届出を味覚糖が初めて行い、12月11日に公開された。『大人のCOLA CANDY』などキャンディ2品を同時に届け出たもので、いずれも尿酸値が高めの男性の尿酸値を下げる働きを訴求する。これにより、ルテオリンで尿酸値に対する機能を訴求する届出の件数は、合計11件と二ケタ台に乗った。今年度に入り、件数を大きく積み上げている。

 今回、味覚糖が届け出たヘルスクレームは、「菊の花エキス由来ルテオリンには尿酸値が高めの男性の方(尿酸値5.5~7.0mg/dL)の尿酸値を下げる働きがあることが報告されています」

 ルテオリンに関しては、これとおおよそ同じヘルスクレームで届出が進んでいる。ただ、ルテオリンの由来を機能性関与成分名に盛り込んだ届出は味覚糖が初。また、由来が「エキス」であることを示すのも、エキスとしての届出を除くと最近では非常に珍しい。他の届出についても、菊の花抽出物に含まれるルテオリンを機能性関与成分としている。

 届出件数が増加している背景には、ルテオリン含有菊の花抽出物の製造販売を手掛けるオリザ油化による届出サポートがある。

 同社が実施したルテオリンのシステマティックレビュー(SR)を活用した届出が初めて公開された今年7月以降、件数が右肩上がりに増えている。最近では医療・介護食事サービスを手掛ける富士産業も届出を行った。オリザ油化によると、公開待ちや提出待ちの届出が複数控えているといい、件数は今後更に増える見通しだ。

 また、届出製品の食品形態もバリエーションが増えている。いまのところ打錠を中心にしたサプリメント形状が多い傾向だが、今回のようなキャンディの他、飲料製造受託も手掛ける大和製罐がドリンクを開発し、オリザ油化が届け出ている。

 一方、尿酸値対応の機能性表示食品を巡り原材料市場では、ルテオリンとアンセリンが一騎打ちの様相だ。届出が先行していたアンセリンの届出件数は18日時点で12件と拮抗。アンセリンの原材料供給を手掛ける焼津水産化学工業も、SRを実施の上で届出サポートを進めており、こちらも届出件数の増加が見込まれている。

 尿酸値対応は、機能性表示食品制度の誕生によって事実上初めて市場形成に向けた道が拓けた機能性食品の新領域。いわゆる健康食品では消費者への訴求が極めて困難だった。昨年夏以降、ファンケルやDHCをはじめ大正製薬、アサヒグループ食品などの販売大手がこぞって届出を行っており、尿酸値に対する働きを訴求する機能性表示食品の届出件数は現在27件に上る。

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