食薬区分改正通知 黒ショウガなど正式に「非医」 (2013.7.25)


 厚生労働省医薬品食品局は10日、昨年2月および今年2月に示していた食薬区分改正案に対する正式通知「医薬品の範囲に関する基準の一部改正」を同時に出した。ほぼ改正案通りの内容となったが、昨年2月の改正案で医薬品リストに収載するとの案を示していたEGFに関しては判断を保留。パブリックコメントに対する回答も、「別途する予定」などとして異例の対応を見せた。

 同省ではEGF(上皮細胞増殖因子、ヒトオリゴペプチド‐1)について化学物質の分類で医薬品リストに新規収載する案を示していた。同成分について日本では、専ら高機能化粧品成分として利用している。一方、医薬品リストに収載されれば化粧品としても使用できなくなる可能性があり、一部の原料サプライヤーなどがパブコメに疑義を寄せていた。厚労省では今後、EGFの取り扱いに関して個別に通知を出す方針だが、「時期は未定」。化粧品としての取り扱いの行方が注目される。

 一方、その他の物質に関してはほぼ改正案通り。これにより、原料事業者各社が機能性研究に注力し、幅広い機能のあることを報告しているブラックジンジャーの根茎、新規ダイエット素材として米国ではすでに人気を博し、日本でも期待感が高まっているアフリカマンゴノキの種子をはじめ、脳機能改善作用があるとされ米国市場ではすでに最終製品化が進んでいるピロロキノリンキノン二ナトリウム塩(=PQQ)のほか、トランスレスベラトロールといった業界内でも注目度の高い物質が非医薬品リストに正式に収載された。

 そのほか、昨年2月の改正案で非医薬リストに収載する案が示されていた、コリン安定化オルトケイ酸も改正案通りとなった。この成分は、コラーゲン産生促進作用があり、骨や爪に対する効果もあるといわれる。
 同物質のほかPQQ、トランスレスベラトロールは「化学物質等」の分類で非医薬品リストに収載されており、食品として販売するには、食品衛生法上の取扱いに関して同省の判断を待つ必要がある。

 その他、新たに非医薬品リストに収載された植物由来物質は以下の通り。クロマメノキ(部位=果実)▽デカルピス・ハミルトニー(根茎)▽バオバブ(果実)▽ヘリクリサム・イタリカム(別名カレープラント、全草)▽ポリポディウム・レウトコトモス(根・茎)▽ヤエヤマアオキ(別名インディアンマルベリー/ノニ、果実・種子・葉)▽レモンマートル(葉)。同じく化学物質等は以下の通り。5─アミノレブリン酸リン酸塩(=ALA)

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