専ら非医の11植物、専ら医薬に区分変更 食薬区分、異例の改正通知 背景に非医リスト見直し(2020.4.6)


 厚生労働省は食薬区分の一部改正を都道府県に通知し、これまで医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(非医)として扱ってきた計11の植物由来物について、専ら医薬品として使用される成分本質(専ら医)に区分変更した。昨年11月公表の改正案通りに改正する形となった。今回、専ら医に区分変更された植物由来物は流通実態があるのかはっきりしないものが大半だが、今後、健康食品など食品に使用できなくなる。

 改正は3月31日付。非医リストから専ら医リストに区分変更されたものは以下の通り。
エンベリア(果実)▽カイコウズ(全草)▽カンレンボク(キジュ、全草)▽クジチョウ(全草)▽ケイコツソウ(全草)▽コオウレン(茎・根茎)▽ダイフクヒ(ビンロウ/ビンロウジ、果皮・種子)▽ハナビシソウ(全草)▽ヒヨドリジョウゴ(ハクエイ/ハクモウトウ、全草)▽ヒルガオ(根)▽ルリヒエンソウ(ラークスパー、全草)──。ダイフクヒ(ビンロウジ)については種子が非医から専ら医に変更された。ヒルガオの地上部は非医のままとなる。

 この区分変更を巡る議論は、食薬区分を所管する厚労省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課が昨年7月と9月に開催した「医薬品の成分本質に関するワーキンググループ」で行われた。議事録によると、「そのものの毒性や含有成分、含有成分の類似物の毒性を検討」した結果、「非医成分から専ら医成分へ移行することが妥当」と判断されたという。

 非医から専ら医への区分変更は、例えばアシュワガンダなどこれまでも稀に行われていたが、今回のように一斉の変更は異例。

 背景には、改正食品衛生法で規定された指定成分含有食品制度の対象となる指定成分の候補を選定するのに合わせ、非医リストの見直しが行われたことがある。安全性に関する新たな知見が得られるなど非医リスト収載当時から状況が変わったものもあり、現時点では医薬品としての規制が妥当と考えられる植物由来物がピックアップされた。

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