変革期に原点回帰目指す (2020.10.8)

メタボリック西田社長写真②

 ダイエット食品を中心に数多くのヒット商品を市場に送り出してきたメタボリック(東京都渋谷区)が創業30周年を迎えた。健康食品業界が成長を続けてきた1990年代から走り続けてきた同社がいま、コロナ禍という新たな変革期を迎えている。西田和弘代表取締役社長に、今後の事業戦略を聞いた。

――30周年振り返って現在、どんな感想をお持ちですか?

 創業当時の1991年を振り返ると、世界ではソビエト連邦が崩壊し、国内ではバブルが崩壊するという社会情勢が変化していく時期でした。いわば社会が大きく変わる混迷期に立ち上がったのが弊社。しかし、その混迷期を、同時期に順調拡大期だったドラッグストア(DgS)業界とともに成長することで乗り切ることができ、今年無事に30周年を迎えることができました。

 しかし現在、ウィズコロナ元年ともいうべき混迷期がやってきています。いわば30年前と同様の新しい常識が始まろうとする「ニューノーマル時代」の始まり。30年で一周りした感覚です。創業期と同様に、社会の変化に合わせて、弊社も変革をしなくてはならない時期に来ていると思います。

――では、その変革期におけるメタボリックの心構えをお聞かせください。

 30周年記念に、弊社のロゴを一新しました。この「MDCメタボリック」というロゴは、弊社創立時の「メタボリックダイエットセンター」という社名に由来します。創業時が変革の時代であったように、現代の変革期にあって、原点回帰をしようという意味合いがあります。まず、初心に立ち返り、激動する社会をよく見極めるためです。

――30周年の記念に、新規事業や企画を考えておられますか?

 30周年記念として、大々的なキャンペーンはいまのところ考えておりせんが、感謝の気持ちをお伝えするために、弊社の製品をロイヤルカスタマー3000名様にプレゼントするといったことは、考えております。また、「イースト×エンザイム」シリーズの新商品のご提案もこの秋にする予定です。

 さきほど創業期に立ち返るという心構えのお話をしましたが、創業期と現在の我々とでは大きく違う点があります。現在には、これまで弊社の製品をご愛顧くださったDgS業界とエンドユーザーのお客様たちの存在があります。

 新規事業について考えることも重要なのでしょうが、まずは弊社を30年間支えてくださったお客様の声を大切にしたい。そうしたお客様の声を常に反映できる体制を、今後はさらに強化していきたいと考えています。

――コロナ禍で減収している企業が多い。メタボリックの状況はいかがですか?

 コロナ禍でインバウンドが実質ほぼなし、という状況下では、マイナス影響は大きいといわざるを得ません。商品でいえば、「イースト×エンザイム ダイエット徳用」の落ち込みが2~3割減といった感覚。ただ、この状況もインバウンド減少の影響だと確実に言えない部分もあり、正確にはお答えできない状況です。

 ただ、減収のリカバリーとして、中国における越境ECは好調です。2017年1月から始めた事業ですが、初年度から順調に業績を伸ばしております。これまで、中国のお客様は「日本人が愛用する」商品をお求めでした。しかし、今後は中国のお客様のおかれている環境により適した商品を開発する必要性を強く感じています。日本人向け商品から、容量や処方を変更し、中国人向けのプレミアム版商品を模索していくつもりです。

――ウィズコロナの現状はしばらく続くと考えていますか?

 現状はしばらく続くと思っています。コロナ禍そのものが終了したとしても、社会状況や人々の意識が、コロナ以前に戻るとも考えにくい。コロナ禍での対策であれば、弊社の「マイビオ」をはじめ、腸内環境を整える商品は、コロナ対策への近道かと思います。ただ、免疫での機能性表示食品の開発については、ハードルがまだ高い。腸内環境改善から免疫を整える、という派生関連で考えていきたいと思います。

――最後に、西田社長ご自身の会社における役割をどう考えていますか?

 臨機応変。なんでも屋です(笑)。変化が大きく速い今は社内のマネージメントはもちろん、営業や開発など現場に行かなくてはわからないことが山ほどある。現場の声をすばやく拾い上げ、社の方針にすぐに反映させるには、固定観念を捨てて、「機を見るに敏」でなくてはなりません。社会の変革期に対応していくためには、まず初心に立ち返り、周囲の状況を見極め、「臨機応変」であろうと心がけています。

【写真=メタボリック 西田和弘 代表取締役】


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