ヒアルロン酸 機能性表示で増殖 年内10品超えか(2015.6.11)


 機能性表示食品制度の施行に伴い、美容食品市場でヒアルロン酸の存在感が改めて高まりそうな様相を呈している。「肌の水分保持に役立ち、乾燥を緩和する機能が報告されています」などと保湿機能を訴求する機能性表示食品の届出は既に3商品で受理。これが年内にも10商品を超えてくる可能性を原料関係者は示唆している。

 これまでに受理された商品の届出者は、キユーピー、アサヒフードアンドヘルスケア、森下仁丹の3社。市場投入の先陣を切るのはキユーピーの「ヒアロモイスチャー240」で、6月12日から通信販売限定で発売を開始する。これにより同社では通販事業のテコ入れを進める構えだ。同品で発売初年度3億円の売上げを目指す。

 3社とも機能性の科学的根拠は研究レビュー(システマティックレビュー)で説明した。キユーピーでは複数の外部有識者の協力を仰ぎながら、食品の機能性研究に精通する同社社員がレビューを実施。公開された届出書によれば、同社のレビューを活用する形で届け出を行った先もある。

 キユーピーでは研究レビューを販売会社に幅広く提供していくことでヒアルロン酸市場全体の底上げも図りたい考え。国内美容食品市場でヒアルロン酸はここ数年、プラセンタに押される格好で市場成長が鈍化している。最終製品中の成分含有量分析なども含めた届出サポートを行いながら供給各社に新制度を活用してもらい、一気に巻き返しを図る戦略だ。

 機能性表示食品成分としてヒアルロン酸を活用してもらう提案を、同社は昨夏から本格的に進めていた。美容サプリの需要が高まっている米国市場で拡販するため海外学術誌に投稿していた新しい査読付き論文の存在も好影響した。検討している企業は少なくないと見られ、同社では今年度のヒアルロン酸原料販売量について昨対比25%前後の伸長を見込む。

Clip to Evernote

ページトップ