アスタキサンチンで健食参入 JX日鉱日石(2015.8.20)


 アスタキサンチンを飼料用に原料供給してきたJX日鉱日石エネルギー㈱(東京都千代田区)が、健康食品用として来年度中に原料供給を開始する。当初はアスタキサンチン需要の多い米国から供給を始め、次のステップとして日本や欧州、アジアでの展開も視野に入れている。

 健食分野への参入は、米国を中心に欧州やアジアで、サプリメント素材としてアスタキサンチン需要が高まってきたことが背景にある。

 同社アスタキサンチンは、パラコッカス属細菌を用いた発酵法により製造。同菌自体はアスタキサンチンをフリー体として約2%含有。その菌体からアスタキサンチンを抽出及び精製し、原料化する。

 原料は基本的にフリー体の粉末として供給、オイル状のエステル体との差別化を図るという。参入初期は、純品換算で1㌧程度の供給体制を整え、その後、需要に応じた生産体制の構築を検討する。

 また、従来原材料のヘマトコッカス藻は光を照射するコストが掛かるが、同菌はその必要が無い。同社ではヘマトコッカス藻由来と競える価格で提供する方針。

 昨年6月にはFDAよりNDI(新規サプリメント成分)として認証を受けた。現在はGRAS認証を取得する準備を進めている。ヒトへの有用性についても、大学との共同研究を積極的に進める計画。

 このほか、同社では鶏卵の黄身の色付け用にも原料供給しており、将来的には養鶏業者と協力して、機能性を訴求したアスタキサンチン入り卵の展開も視野に入れている。

Clip to Evernote

ページトップ