プラセンタエキス エクソソーム含有を確認 一丸ファルコス(2017.1.12)


 プラセンタエキスを摂取することで得られる多様な機能性の作用メカニズムを完全解明しようと、原料メーカーの一丸ファルコスが研究を進めている。プラセンタエキスの作用機序をめぐっては、体内動態をはじめ未解明な部分が多く、機能性関与成分の特定も大きな課題として横たわる。今後の研究成果が大きく注目される。

 食用プラセンタエキスにエクソソームが大量に含まれることを突き止めた──。同社は昨年12月、「第37回日本臨床薬理学会学術総会」でこう発表した。プラセンタエキスを摂取すると、エクソソームが体内で有効成分のように働き、様々な機能性を発揮している可能性が無視できないという。

 エクソソーム(細胞外小胞)とは、様々な細胞から分泌される物質で、近年ではがん治療のバイオマーカーとして注目が集まる。血液など体液中にも含まれるほか、胎盤から分泌されることも確認されている。

 同社によると、胎盤から分泌されたエクソソームは、それに内包されるペプチド、タンパク質、RNA(リボ核酸)などによって細胞間コミュニケーションが行われる。これにより、母体と胎児の生体恒常性の維持に働いているとも報告されている。

 エクソソームは、「食品中にも含まれる栄養成分、機能性成分なのではないか。今後そのように認識されることを期待している」と同社の開発担当者は話す。「体内動態には不明な点が多いが、プラセンタ抽出物中のエクソソームが体内に吸収され、生理作用に関与している可能性がある」という。


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