機能性表示食「魅力あるが、不満」 BASFジャパン調査(2017.6.8)


 「機能性表示食品は、カテゴリーとして魅力は感じてはいるが、食品メーカーからの提案や情報提供には不満」――。流通小売企業を対象とした機能性表示食品への要望に関する調査結果をBASFジャパン㈱がこのほど発表した。食品メーカーを中心に届出1000品目を目前とする機能性表示食品だが、これまでの食品メーカーから流通側への提案には満足していない現状が分かった。

 調査は、今年3月に新日本スーパーマーケット協会の正会員である流通小売企業65社に、郵送でのアンケート方式の回答からまとめた。

 質問では、機能性表示食品の売れ行きと食品メーカーからの商品の提案の質に対する満足度を聞いたところ、約5割の32社が「現状、特別に売れている様子はないが、販売品目として大変魅力を感じている」と回答する一方で、商品の機能性や販促に関する情報提供の質に関する問いには、5社のみが「それなりに満足している」と回答(大変満足しているは回答無し)。「あまり満足していない」(23社)、「ぜんぜん満足していない」(4社)に、「どちらでもない」(32社)の中立派を加えた低い評価を出した企業が9割を超える結果となった。

 売れ行きについては、「機能性表示によって販売に差が出ているのか、わからない」とする回答は17社から挙がっている(売れ行きが落ちているは回答無し)。

 機能性表示食品の販売促進に欠かせないポイントとしては(複数回答)、約8割の企業が「機能性をわかりやすく伝えられる広告宣伝物(店頭POPなど)の充実」(50社)を挙げ、「従業員の知識レベルの向上」(36社)、「数値的、科学的根拠による訴求」(34社)などが続いた。

 ネット通販や他店との差別化のために取り組みたいことでは、「バイヤーや店舗従業員への教育の強化」(36社)、「PB品の導入及びラインナップの強化」(32社)がそれぞれ半数近くが必要と回答し、「店舗における売場デザインや設計の進化」を求める声も21社から挙がっている。

 小売企業が現在取扱う商品のヘルスクレームへの質問では、「体脂肪、中性脂肪」(41社)、「血糖値」(36社)、「コレステロール」(33社)、「血圧」(32社)など特定保健用食品でも使われる抗メタボの表示の商品が半数以上を占め、機能性表示食品で新たに表示可能となった「ストレス、疲労関連」「肌」「目」に関する商品の取扱いはそれぞれ十数社に止まった。

 取扱う商品の多いコレステロールのカテゴリーで、導入したい商品の形態を聞いた質問では、「ヨーグルト、ドリンクヨーグルト」「野菜ジュース、青汁」「豆腐、味噌、豆乳などの大豆製品」といった、健康イメージが強く、かつ日常的な摂取が期待できる商品形態が半数近くを占める結果となった。

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