三協 「100年生き残る企業に」 (2018.4.26)

三協合体⑥

 三協(静岡県、代表取締役社長・石川俊光氏)は13日、島根県・川本工場の第一期工事を終え竣工式を行った。静岡、島根から関係者ら200名が参加。藤原孝行島根県副知事、三宅実川本町長らと共に石川和代専務、山口誠人工場長らがテープカットを行った。

 川本工場は、東日本震災の経験からリスク分散を目的に計画された。熱心な誘致を受ける中で、社長が私淑する伊那食品の“社員を大事にする”会社を手本に川本進出を決意。この日も「地元と協力してここに根を張り100年生き残る企業を目指す」(石川社長)と述べた。

 川本工場は、2棟を計画しており、6500坪の敷地を有す。今回の1棟目は延床面積1500坪の3階建て。工場は1、2階部分で、主力のソフトカプセル、スティック充填設備などを設置した。初期投資額は20億円。機械設備関連は自社製も含め6億円超とみられる。GMPの取得については3か月後に申請するという。

 商品企画や営業は本社で担当する。川本は工場機能だけの操業となる。現在、日の出工場がフル稼働状態のため日の出工場の生産の一部を担う。また、西日本地域の顧客の注文も川本で対応する。当面はカプセル製品の製造が中心となるが、8月上旬から錠剤、顆粒の製造も手掛ける予定になっている。

 地域おこしも掲げる同社だが、新工場では22名の従業員を雇用した。全員地元採用で、20、30代の若手が中心。3年前から本社工場で研修を積んでおり、新卒以外は経験者をそろえている。

 今後は、地元の島根大学などとも商品開発で提携を考えており、川本名産“エゴマ”などもその対象になりそうだ。

 年間6㌧の生産量を増産させ、健康食品の産地として隆盛を願うという同町。三協への期待もにじませており、同社でも「取り組むつもり」(和田伸行副社長)と述べている。

 山口工場長は、「日の出工場と遜色のない仕事ぶりでリスク分散の目的を達成したい」と述べながら、日の出と違う特色を出したいとして、エゴマをその対象に挙げていた。

【写真=上:リスク分散と地元活性化をかけてテープカットする石川専務(中央)ら 下:代表取締役社長・石川俊光氏】

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