10兆円産業化に向け新体制 (2019.6.6)

JACDS_池野氏が新会長に修正①

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は3日午後、同日午前に開いた通常総会で2019年度事業計画と組織人事が満場一致で承認されたと発表した。人事では副会長の池野隆光氏(ウエルシアホールディングス会長)が新会長に就任。事務総長は日本ヘルスケア協会の今西信幸会長が引き続き務める。25年目途に実現を目指すドラッグストア(DgS)の「10兆円産業化」に向けて、新体制下で活動を開始した。
 JACDSの調べによると、DgS業界は3年連続で5%の成長を堅持。市場規模は7兆2000億円(18年度)を超え、店舗数も2万店舗に達した。
 そのなかで19年度事業計画の基本テーマ筆頭には、「予防・治療・介護」の拠点化を目指す方針を掲げた。これに関連し、JACDSが10兆円産業化の鍵と位置付ける「街の健康ハブステーション」構想実現に向けた取り組みも強化する。
 基本テーマには他に、DgS市場拡大の原動力ともなっている調剤の一層の普及拡大を目指す方針とともに、介護や「食と健康」の普及拡大も掲げた。
 「食と健康」は10兆円産業化に向けた重要施策の一つ。19年度事業計画の重点施策の一つとしても据えた。食と健康マーケットの拡大に向けた「市場創造マニュアル」を作成し、業界全体で活用しながら食と健康の普及拡大を推進したい考え。そのため、今後は管理薬剤師や登録販売者だけでなく、管理栄養士や栄養士といった〝食〟の専門家も重用する。
 一方、19年度の基本テーマには、業界全体での「SDGs(持続可能な開発目標)の推進」も掲げた。池野新会長の肝いりで取り入れられたもので、レジ袋やプラスチックゴミの削減に向けた検討を業界全体で始める。それに関連し、返品率削減や、物流問題など流通業界の課題解決にも小売業界として取り組む。
 JACDSの5代目会長となる池野新会長は3日午後に都内で開いた会見で、JACDSの今後の方向性について記者から問われ、「組織としての社会的役割を明確にする必要がある。それが明確であれば求心力は保たれる。小売の企業集団として尊敬される企業集団になりたい。そうすることが強い求心力になる。地域に与える影響も高まる。DgSには地域を支えていく役割がある」と答えた。
創立20周年記念式典開催
 JACDSは創立20周年を今年迎えた。通常総会後の3日午後には東京・ホテルニューオータニで20周年を祝う記念式典を盛大に開催した。
 安倍晋三内閣総理大臣がビデオメッセージで祝辞を寄せ、政府として健康寿命の延伸、生涯現役社会の実現を目指すなか、「地域住民の疾病予防や在宅服薬支援、セルフメディケーション推進などの分野で、ドラッグストアや薬局が果たすべき役割は今後ますます大きくなっていく」と述べた。
 セレモニーの壇上には、昨年6月に急逝したJACDSの宗像守前事務総長が立ち上げに尽力したヘルスケア議員懇話会の現会長を務める林芳正参議院議員、ドラッグストア振興議員懇話会会長の石田祝稔衆議院議員をはじめ、厚生労働省医薬・生活局長、経済産業省大臣官房審議官、日本OTC医薬品協会会長らが上がった。
 同日の通常総会終了をもって名誉会長に就いたACDSの青木桂生前会長は、「1999年6月の設立から早20年。設立の時、このような形で20周年を迎えられるとは誰も想像できなかった」と語り、マツモトキヨシの松本南海雄氏ら歴代会長や故・宗像前事務総長ら関係者の尽力を讃えた。
 また、式典を締め括る挨拶に立った池野新会長は、「大役を受けることになった。10兆円産業化を目指しているが、JACDSが企業集団として成長することだけでは評価されない時代がくるだろう。成長すればするほど、社会的責任の達成を期待されるようになる」と述べた上で、「JACDSは尊敬される企業集団を目指す」と2度繰り返し強調した。

【写真=就任後に記者会見する池野新会長】




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