広がるIC認証 36社に 大手から中小まで 100品目超える(2019.7.25)


 英LGC社が運営するサプリメントのアンチドーピング認証プログラム「インフォームドチョイス」(IC認証)の取得に動く国内企業が増え続けている。7月11日までに日本予防医薬、日清オイリオグループ、ビーアンドエス・コーポレーションの3社が新たに取得。これにより国内でのIC認証取得企業は36社にまで広がり、最終製品での認証取得件数は72製品109品目に達した。2020年に開催される東京五輪・パラリンピックも見据えたIC認証に対する業界の関心は当面収まりそうにない。

 IC認証の日本総代理店によると、新たに認証を取得した3社はいずれも最終製品認証を取得した。日本予防医薬は『イミダペプチドソフトカプセル』、日清オイリオグループは『MCTチャージゼリープロ』、ビー&エスは乳酸菌生成エキスを配合した『ラクティス』でそれぞれ認証を得た。ビー&エスは「乳酸菌加工食品では〝日本初〟」のIC認証製品だとアピールしている。

 IC認証は最終製品だけでなく原材料、工場も対象にしているが、原材料認証について日本ではこれまでに三菱ガス化学のPQQ、小林香料のHMBカルシウム、森川健康堂の生ローヤルゼリーなど5製品が認証を取得。工場認証はアダプトゲン製薬が国内2工場で取得している。

 国内における初のIC認証は、スポーツサプリメントブランド『DNS』を展開するドームが最終製品で取得。16年12月のことで、そこから3年未満で認証取得件数は100品目超、企業数としては40社に迫る規模にまで急拡大した格好だ。

 また、最終製品については大手から中小規模企業まで分け隔てなく認証を取得しているのが特徴で、認証された製品を見ると、サプリメントとの親和性が高い指定医薬部外品にまで広がりを見せている。指定医薬部外品『キユーピーコーワαドリンク』で認証を取得した興和では、IC認証製品であることを強くアピールする販売プロモーションを進めている。これらは以前のサプリメントアンチドーピング認証では見られなかった現象だ。

 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が運営してきた認証制度は今年3月に終了。これにより、サプリメントのアンチドーピング認証は完全に民間に委ねられることになった。それを受けて、民間の認証プログラムが複数立ち上げられている。ただ、いずれもIC認証の存在感には及んでいない。IC認証は欧米を中心に海外での認知度も高いといわれ、そこも国内企業にとって魅力となっているようだ。



Clip to Evernote

ページトップ