「定期購入」巡り業務停止命令 特商法違反で「ケトジェンヌ」販社(2019.12.26)


 インターネット通販サイトで、申し込むと定期購入になることが容易に認識できる表示を行っていなかったのは特定商取引法違反に当たるとして、消費者庁は25日、健康食品や化粧品を販売する都内のネット通販事業者2社に対し、それぞれ業務停止命令や指示処分を行い、26日発表した。

 「お試し500円」などと通常よりも安価で購入できることを訴求している一方で、実際には2回目以降は定価での定期購入契約が条件であることなどが表示上分かりにくい健康食品や化粧品のネット通販の是正に、消費者庁として乗り出した格好だ。この問題を巡っては、国民生活センターがこれまで3回にわたり消費者への注意喚起を実施。今月19日に行った3度目の注意喚起では、消費者庁に対し、特商法などに違反する事業者に法執行を行うよう求めていた。

 消費者庁の発表によると、特商法違反で3カ月間の一部業務停止を命じられたのはTOLUTO(東京都渋谷区、旧社名e・Cycle)。同社は、同社が販売しているサプリメント「ケトジェンヌ」を巡り、今年9月に同庁から消費者安全法に基づく事実上の行政処分を受けていたネット通販会社。同製品を摂取した消費者から下痢などの健康被害報告が急増しているなどとして、同法に基づき社名や製品名を公表された。公表後も、同社はケトジェンヌの販売を続けていた。

 今回の特商法に基づく行政処分では、同社の前代表取締役の中谷祐一氏に対しても、3カ月間の業務禁止命令が下された。同社は9月、社名及び代表取締役の変更を発表していたが、同庁は、中谷氏は代表を退いた後も同社の業務遂行に主導的な役割を果たしていたと認定した。

 同庁はまた、特商法違反で健康食品ネット通販事業者のアクア(東京都渋谷区)に指示処分を下した。

 同庁は今回、両社に対し、特商法第14条で規定する「顧客の意に反して通信販売に係る売買契約の申込みをさせようとする行為」を認定した。

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