ハス胚芽に抗ロコモ機能 丸善製薬、農工大ら動物試験で(2014.2.21)


 丸善製薬㈱(広島県尾道市)が製造販売している健康食品原料ハス胚芽エキスに、変形性膝関節症と関節リウマチの双方の症状を緩和させる可能性のあることが、それぞれの自然発症モデル動物に対する経口投与試験で確認された。コラーゲン産生促進作用などが期待できる美容食品素材として主に提案されてきた素材であり、関節痛への機能性が確認されたのは初。骨粗しょう症予防作用が以前からヒト試験で示されていることもあり、ロコモティブシンドローム対応素材としても配合提案を強めていく。

 15日に開催されたグルコサミン研究会学術集会で同社ほか共同研究先が発表した。共同研究先は、変形性膝関節症に対する機能が野村義宏・東京農工大学農学部応用生命科学教授ら、関節リウマチは高倉伸幸・大阪大学微生物研究所教授ら。

 発表によると、ハス胚芽エキスの4週間投与に伴う変形性膝関節症に対する機能としては、関節軟骨分解マーカーを減少させる働きが示唆された。このため、関節軟骨の分解を抑制することで、変形性膝関節症症状の進行を抑える可能性があるという。この試験では、同社の甘草抽出物にも同様の機能のあることが確認された。

 一方、関節リウマチに対しては、自然発症させたリウマチに伴う関節の腫れ、変形を抑えることが確認された。また、炎症に関わる因子VEGFが血管中に漏れ出し、炎症を悪化させる血管透過性亢進の抑制も認められた。ハス胚芽エキスに以前から確認されている「Tie2」活性作用が関与していると考えられ、同社では、「血管構造を安定化させることで、リウマチに伴う過剰な炎症を抑制している可能性がある」としている。

 ほかにⅡ型コラーゲンとヒアルロン酸の産生促進作用も細胞試験で確認された。

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