ケトジェンヌ問題 国衛研で製品調査実施(2020.1.23)

ケトジェンヌ1①

【写真=e・Cycle(現TOULTO)が販売する「ケトジェンヌ」(消費者庁HPより、昨年9月7日発表資料より一部抜粋)】

 下痢などの健康被害報告が短期間に急増しているとして消費者庁が消費者安全法に基づき販売者名や製品名を昨年9月に公表し、消費者への注意喚起を行ったサプリメント『ケトジェンヌ』を巡る問題で、厚生労働省が都道府県等に健康被害報告の収集を求めていたほか、下痢などを起こす成分の含有を調べる製品調査を国立医薬食品衛生研究所(国衛研)に依頼していたことが、1月17日までに分かった。

 製品調査結果はまだ確定していないが、厚労省では、現時点では健康被害の原因成分は特定されておらず、医薬品成分の含有など法規定違反の事実も明らかではないとしている。

 消費者庁では、同製品に関する健康被害情報が昨年4月から8月までに89件寄せられ、うち78件が7月以降に集中していると発表していた。同製品は、昨年4月にネット通販で販売が始まったとみられ、厚労省によれば、昨年9月までに約20万袋が販売された。9月以降は販売されていない。

 厚労省は昨年9月、消費者庁からの情報提供及び注意喚起を受けて、都道府県等に事務連絡を発出。厚労省医薬局長通知「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領」に基づき、同製品を使用した消費者からの健康被害報告を収集し、同省に報告するように要請した。日本医師会や日本薬剤師会に対しても周知などを依頼。さらに昨年11月、国衛研に健康被害の原因究明のための製品調査を委託していた。

 厚労省によると、20自治体から22人について健康被害報告が寄せられた。報告された症状は、下痢など消化器症状が15人、じんましんなど皮膚症状が7人、呼吸器症状が1人で、医療機関への外来受診が8件確認された。ただ、重い症状は報告されておらず、入院もなかったという。消費庁の調べでは、「水のような便が出る症状」「重い下痢」が確認されていた。

 一方、国衛研による製品調査については、現時点では中間報告が提出されたにとどまるが、健康被害が生じた原因成分は「不明」で、薬機法違反や食衛法の販売禁止措置規定に該当するような事実は明らかでないとしている。国衛研から今年度末に提出される報告書を踏まえ、最終的な判断を行う方針だ。

 国衛研の中間報告では、痩身効果を謳う無承認無許可医薬品に配合される場合のあるシブラトミンなどの医薬品成分や、含有量次第では医薬品となる可能性のある成分は不検出。表示された原材料についても、過剰摂取で下痢を起こす恐れのある成分の過剰な含有は確認されず、表示された原材料以外に関しても、下痢症状を目的に製品に使用された経緯のある成分は不検出だった。

 また、製品中の油脂の変質が原因の可能性は極めて低いとみられる。さらに、下痢を引き起こす可能性のある病原微生物、カビ毒などの微生物毒素、生物毒素のほか、じんましんの原因となるヒスタミンも同様に不検出だったという。

 ケトジェンヌは、中鎖脂肪酸油や亜麻仁油のほか植物抽出物などを配合したサプリメントで、健康食品GMP認定工場で製造されていた。販売者は、ネット通販を手掛けるe・Cycle(現TOULTO、東京都渋谷区)。同社は昨年12月、消費者庁から特商法違反(顧客の意に反して売買契約の申込みをさせようとする行為)を認定され、3カ月の業務停止名命令を受けている。国民生活センターによると、同社の健康食品、化粧品の販売を巡る2019年度の消費者相談件数は、12月10日時点で3700件超に上る。


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