ローヤルゼリー 「機能性」市場進出へ (2020.2.6)


 ローヤルゼリー(RJ)由来の成分を機能性関与成分にした機能性表示食品(サプリメント)の届出が初めて実現した。RJなど蜂産品の製造販売も手掛ける健康食品受託製造大手のアピ(岐阜県岐阜市)が研究レビューなどを実施した上で届け出たもので、ヘルスクレームは「肌の潤い(水分)を逃がしにくくする機能があることが報告されています。肌の乾燥が気になる女性の方に適しています」。1月27日に公開された。

機能性関与成分にペプチドやデセン酸
 アピが届け出た機能性関与成分は、RJ由来ペプチド及び10‐ヒドロキシ‐2‐デセン酸の2つ。RJは様ざまな成分で構成される複合体のため、機能性関与成分の特定が困難と見られていたが、同社は両成分の機能性について、肌の保湿に関連する皮膚線維芽細胞増殖作用を確認。RJに含まれる成分のうち、同作用に関与するのは両成分だけであることも確かめた上で、機能性関与成分とした。

 一方、ローヤルゼリー由来成分は、もともと特定保健用食品(トクホ)の関与成分として許可された経緯がある。2006年許可の飲料『ステイバランスRJ』の関与成分「ローヤルゼリーペプチド(VY、IY、IVY)」がそれで、申請者はアピ。トクホとしてのヘルスクレームは「血圧が高めの方に適す」だが、今回の機能性表示食品の届出に当たっては、安全性などの面で、トクホ申請の際に積み上げた知見も活用した。

届出サポートを推進 OEM/ODMの一環
 アピが今回届け出た研究レビューでは、同社が製造するローヤルゼリーペプチドを被験食品とし、肌状態改善機能を検証した臨床試験論文1報を最終的に採用した。この被験食品は、今回届け出た機能性関与成分をそれぞれ規格化したもの。1日あたりにRJ由来ペプチド320㍉㌘、10‐ヒドロキシ‐2‐デセン酸35㍉㌘(ローヤルゼリーペプチドとして1㌘)を継続摂取することで、プラセボとの比較で肌の皮膚水分蒸散量の低下が認められたという。

 届出公開を受けてアピでは今後、健康食品ODM/OEMの一環として、RJ機能性表示食品の市場提案を本格化させる。昨年9月の組織改編で、機能性表示食品を専門的に手掛ける部門を戦略開発本部内に新設しており、同部門を通じて顧客への届出サポートを推進していく計画だ。競合他社も機能性表示食品の届出支援を積極的に進めている中で、業界内で初めて実現させた今回の届出を通じて、届出サポートの付加価値向上にもつなげる。

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