紫外線刺激から肌を保護 美容食の新機能 販売開始(2020.4.23)

明治、富士フィルム合体①

【写真=紫外線ケアを訴求する機能性表示食品。写真右、明治『飲むスキンケアヨーグルト』。同左、富士フイルム『アスタリフト ドリンクホワイトシールド』と『同 サプリメントホワイトシールド』】
 
 紫外線刺激から肌を保護する働きを訴求する機能性表示食品の販売が4月から始まっている。7日、明治が飲むタイプのヨーグルト1品を発売したのを皮切りに、15日には富士フイルムがサプリメントとドリンクの2品を発売した。現在のところ届出済み商品は同3品の他にグリコ栄養食品によるサプリ1品の計4品にとどまる。ただ、届出件数が増えていくことで美容食品市場に新たなカテゴリーが形成される可能性がある。

 富士フイルムが15日に新発売したのは機能性表示食品の『アスタリフトサプリメントホワイトシールド』『同 ドリンクホワイトシールド』の2品。いずれもアスタキサンチンを機能性関与成分にしたもので、ヘルスクレームは次の通り。

 「抗酸化作用を持つアスタキサンチンは、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性、紫外線を浴びた肌を乾燥から守り、肌のうるおいを守る機能性が報告されています」──アスタキサンチンによる抗酸化作用にも言及しながら肌に対する働きを訴求するのが特徴と言える。同社では〝飲む紫外線ケア〟として両品をアピールしていく構え。

 価格はサプリメントが60粒(約30日分)入りで税別4000円。ドリンクが1本50㍉㍑×10本パックで同3000円。同社によると、ドリンクには、機能性関与成分としてアスタキサンチンの吸収効率を高めた「ナノアスタキサンチン」を配合するという。

 一方、明治が7日発売した『飲むスキンケアヨーグルト』のヘルスクレームは、「紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能があります。また、肌の潤いを保ち、肌の乾燥を緩和する機能があります」。機能性関与成分はSC2乳酸菌、コラーゲンペプチド、スフィンゴミエリンの3成分で、富士フイルムとは異なり、最終製品の臨床試験を届け出ている。

ヘルスクレーム さらに広がるか
 これまで肌への働きを訴求する機能性表示食品は、いわゆる「保湿」に限定されていたが、昨年7月に「紫外線刺激から肌を保護する」といった新たなヘルスクレームを行う届出が初めて公開され、業界を驚かせた。ヘルスクレームに直接反映されてはいないものの、機能性に関する科学的根拠として、紫外線照射による肌の赤み(ダメージ)が低減されたことも報告。肌に対するいわゆる「ブライトニング」機能も内包する機能性表示食品と言える。

 最初の届出となったのは富士フイルムが15日に発売したドリンク。以降、明治、グリコ栄養食品と届出が続いた。現時点では発売されていないが、グリコ栄養食品は赤パプリカ由来キサントフィルを機能性関与成分とするサプリメントを届け出ている。商品パッケージ正面で「紫外線が気になる方に」と大きく表示する計画だ。

 「まだまだハードルは高い」(食品大手開発担当者)との指摘も聞こえるが、肌を巡るヘルスクレームのバリエーションは今後さらに増えていく可能性がある。

 実際、肌弾力の低下抑制機能を訴求する初の届出が先月公開されている。機能性関与成分はコラーゲンペプチドで、機能性の科学的根拠はシステマティックレビューだった。他の領域に比べて遅れていた美容食品の機能性表示食品化が今後加速していく可能性がある。

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