コラーゲンペプチド 欧州大手、市場拡大図る 
(2020.5.14)


 ゼラチン・コラーゲンペプチド製造販売の世界大手、独ジェリータ(エーバーバッハ)が日本法人を開設し、コラーゲンペプチドの営業・販売活動を開始した。以前から同社のコラーゲンペプチドは国内メーカー大手を通じて日本市場に供給されてきたが、新設した日本法人を通じ、機能性に関する科学的根拠を備える製品シリーズの市場浸透を図る。今後、機能性表示食品の届出サポートも手掛けていく計画だ。

 ジェリータ(GELITA)は1875年創業。ゼラチン・コラーゲンペプチド製造販売でルスロ社と並ぶ世界最大手の一角を占めるといわれる。ドイツ、米国、中国を軸に世界20カ国・地域に生産および販売拠点を保有しており、年商は公称で約900億円に上る。

 同社の製品は、これまでも日本市場で多く販売されていた。国内ゼラチン・コラーゲンペプチド製造販売大手のニッピ(東京都足立区)と契約し、同社を販売窓口とする形で、ゼラチンを中心にコラーゲンペプチドを供給してきた。日本法人開設後も、ニッピとの良好な関係を維持しつつ、コラーゲンペプチドに特化して更なる拡販を進めていく方針だ。

 日本法人のジェリータジャパン(東京都中央区)は昨年末までに開設され、ゼネラルマネージャに元ロンザジャパンの田辺康治氏が就任した。今年に入り営業活動をスタートさせて、ジェリータが開発した『バイオアクティブコラーゲンペプチド』シリーズの売り込みに取り掛かっている。

 同シリーズの日本市場への浸透が法人開設の狙い。同シリーズは、「標的細胞へ効果的に作用する分子量サイズを選定して開発」(ジェリータジャパン)したもので、肌・爪・髪▽関節▽骨▽腱・じん帯▽体組成──などヘルスベネフィット別に計6製品をラインナップ。日本市場には、主にドイツ・米国・ブラジルの工場で生産された製品を供給していく計画だ。

機能性、届出支援も計画
 ジェリータジャパンの田辺氏によると、各製品ともこれまでに2~3件のRCT(ランダム化比較試験)が実施されており、結果は論文発表されている。市場開拓にあたっては「機能性表示食品制度も踏まえ、エビデンスが最大の強みになると考えている」と話す。

 同社では現在、システマティックレビューを実施する準備を進めており、まとまり次第、機能性表示食品の届出サポートを幅広く提供できる体制づくりを進めていく計画だ。



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